概要
間違えて人に生まれてきた精霊の子は森へ帰り、精霊が生まれる。
森と洞窟の国ルキエーでは、時折緑の髪の子供が生まれてくる。
緑の髪の子は、間違えて人に生まれてきた精霊の子(ラー・ロウ)と呼ばれる。
名前を持たず、家も持たず、人ではなく精霊(ラー)に近いものとして生きる。
ラー・ロウが森に帰るその時は、ラーに戻る時。そして、新しいラーの誕生の時でもある。
ラーへと戻るラー・ロウを見送る若いラー・ロウ。彼が紡ぐのは、ラーの誕生を祝う古い祈りの言葉。
--------
この作品の舞台は、『旅をする──ドラゴンの少女と巡る異世界』の第四章、第五章の舞台と同じ国です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054935110451
この作品単体で完結した作品ですので、特に『旅をする』を読んでいる必要はありません。
ですが、
緑の髪の子は、間違えて人に生まれてきた精霊の子(ラー・ロウ)と呼ばれる。
名前を持たず、家も持たず、人ではなく精霊(ラー)に近いものとして生きる。
ラー・ロウが森に帰るその時は、ラーに戻る時。そして、新しいラーの誕生の時でもある。
ラーへと戻るラー・ロウを見送る若いラー・ロウ。彼が紡ぐのは、ラーの誕生を祝う古い祈りの言葉。
--------
この作品の舞台は、『旅をする──ドラゴンの少女と巡る異世界』の第四章、第五章の舞台と同じ国です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054935110451
この作品単体で完結した作品ですので、特に『旅をする』を読んでいる必要はありません。
ですが、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ひとりの「精霊の子」は自らの生を如何に受容するのか。
独特なことばと地名に彩られた物語世界に、否応なく没入させられる冒頭。
まずそれが心地よい。だが、その快感に酔っているうちに、
一人称で語られているそれは、間違って人として生まれてきた緑の髪の子、
ラー・ロウ(精霊の子)の物語なのだと知る。
ラー・ロウは、精霊に戻ることもできる。
それは新しい精霊の誕生でもあるが、人としての死でもある。
それを選んだ「彼」と、それを選ばなかった「俺」。
そこにはどんな差があるのか。どんな生の受容があるのか。
美しい情景描写と、溢れ出る激情。
それらに身を委ねて考えてみても、容易に答えは見つからない。
だけど、それが良い。
読み終わったあとの余韻は、
人とまみえ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!彼は精霊の子、ラー・ロウ。それでもまだ彼は運命とは別の道を望む——。
緑の髪を持った青年、ラー・ロウ。
それは個人の名ではなく、間違えて生まれてきた精霊の子と言われる彼らを総称する呼び名だといいます。
ラー・ロウとして生まれた者は、いずれ「森へと帰る」から他の人間たちと基本的には交わらず、家も持たない。けれど、この物語の語り手の「俺」は、人の中で、人と交わって暮らしています。
彼と同じような、おそらくは彼の数少ないラー・ロウの友人が森へと帰る日の彼の慟哭は、帰りゆくその友人の穏やかな様子とは対照的に、あまりに悲痛で、読んでいるこちらの胸にも突き刺さります。
あらかじめ定められた運命を知り、取り巻く人々も、同胞もそれを受け入れて生きているのに、そ…続きを読む