掃溜地獄
緑夏 創
皆凄い
皆凄いのよね。
俺の周りの人皆、仲間の事考えて動けるんですよ。そんな余裕ないくせに。自分はそこまで恵まれてもいない癖に。
ああ、腹が立つ。
自己中心的な俺がそんな人達より結果も出せず、実力も五分以下で、時間を独り占めしようとしているのに何なんだろう。
この現実を知ると、今すぐに川に飛び込んであわよくば死んでしまいたくなる。
なんでそんな皆焦らないのだ。そうやって手をかけて居るうちに周りに、そいつに、追い越されるのになんでそんな何の疑問もなく他人の事を考えられる?
きっと、そんな思いしてきただろうに、何でなんだ?ああ腹が立つ腹が立つ。何なんだ、何でこんな惨めなんだ。
でも、ずっとそうだった。昔、自分に少し余裕がある時、俺は周りの人の事を考えて手助けとかしてやったさ。成長を促してやった。それは善だと知っているから。その時はなんの疑問も無かった。結果、皆俺に肉薄してきやがるようになった。手助けやら何やら他人にかまけてる間は、自分は足踏みしてる事になる。故に踏み台にされる。そんな事、俺の根底のどうしようもない卑屈なプライドが許せなかった。いや、よりひん曲がった。
俺が上にいるならそれでいい。勝てればそれでいい。結果が出ればそれでいい。過程なんてゴミ。結果以外は全てゴミ。良い結果が出せてもそれだけ。良くも悪くも無く、ただそれだけ。なんて虚しいんだろう。自ら苛むだけの機構。破綻している終わっている。
消えてしまおうか。
周りの人達が優秀過ぎてて羨ましい。
もう、俺が死ねば良かろうさ。
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