暗黒の根幹


※猟奇的な表現が無理なお方にはブラウザバックを推奨します。






















人を殺したいと思って生まれてきた人間は果たしてそれは生まれながらに悪なのだろうか。


何故人を殺してはいけないのかわかりません。


至極真っ当で平凡無害の人間であれば、どのような義憤に駆られて、こんな奇妙な事を平然と吐き出す私を捲し立てるのだろう。


「殺人とは悲しみと憎しみしか生まない」


「命は尊いもの」


結局のところ、私にはこの二つの定型文のような台詞しか思いつかない。私は人を殺したい部類の人間であるのだから、道徳なんてものがこれっぽっちもわからないのだ。命の尊厳がわからない。道徳なんて人を互いにぶつかり合わせないようにするだけのものだ。人の心がわからない。一々良い風に理由をこじつけるのが人間だと思う。


なぜ人を殺してはいけないのか。


それは、ただこの世界を簡単にするだけという事だと私は思う。そして、そのような世界を出来るだけ維持するために、法なんてものができて、命を冒涜する者を処罰する。その仕組みをいかにも真っ当らしく説いたものを道徳といい、それを人々の心に良心としてその深層に根付かせて、無意識のうちに多くの人々は誘蛾灯に誘われる哀れな蛾の習性のように、根付けられた善の心を以て、この世界にとって実に都合のいいように生きる。そして更に我々は、互いに噛み合って生きる。すなわち歯車。我々は皆ちっぽけな部品、替えがきく量産品。根付けられた習性は、実に効率良く世界を回すためのもの。私達はただのリソース。だけど、そんなの私はごめんだ。


単なる好奇心から、人を殺してみたい。


漫画やアニメや映画で流し見る虚像では無くて、遠巻きに眺める関わりの無い場面でも無くて、実際に私の手で、命を貫く感触に舌づつみをうちながら人が崩れ落ちていくその様をまじまじと眺めて抱き締めてあげたい。

賢ぶった人からは醜いとばかり形容される人間だけど、死の間際は美しいと思う。だから私は、私の腕で、私の指で、私の体で、私の足で、私の目で、私の頭で、私の心で、確かめたい。

ただ、その刹那の恍惚の為に、私はまだまだ続く人生を、この若き時間を、青春を、安易に粗末に投げ出したい。

罪には罰をは当然の理。覚悟等とうの昔に出来ている。

果たして、それでも私は悪でしょうか?


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掃溜地獄 緑夏 創 @Rokka_hajime

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