「思い出す」を含む小説

母が逝ってから二度目の大晦日、わたしは父を誘って近所のコンビニエンスストアに向かった。 母がいた頃のように、緑のたぬきと赤いきつねを食べて年を越すためだ。 道中、わたしはふと思い…

新雪に刻まれた足あと。それが恐怖の始まりだった。 ※本作品はフィクションです ※本作品はエブリスタに投稿した同名作品を、大幅に加筆修正したものとなります。 ※今より少し未来の…

戦場で屍から金品を奪って暮らす戦場荒らしのリン。 見つかれば死罪のはずなのに、リンは兵士に捕まり、どこかの地下牢へ放り込まれる。 差し入れられた温かい食べ物を頬張りながら、リンは…

――あと3日で地球は滅ぶらしい。 宇宙へ逃げることもできた私、フウナは今も地球にいる。 夢や目標がないなら、いっそ地球と心中する。それでもいい気がしたからだ。 終末世界を気ま…

ブラック企業に勤める会社員、田中和彦は地獄の30連勤を乗り越え、疲れた身体の中自宅で深い眠りにつく。しかし、突如として起こった頭痛と共に職業【空間魔法使い】とその権能【収納空間】…

あら、あなた…お仕事終わったの？ そう…　いいえちょうどいい所。 そうだちょっと買い物に行ってきてもらいのよ。いまリストを渡すから。 大丈夫。こういうのはまだ時間がかかるから。 …

真夜中に天井を突き破って現れたのはカナと名乗るアンドロイドの少女。高校生の伊月進（いつきすすむ）は、カナを居候させることになるが、それをきっかけに10年前に起こった事件を再び思い…

　私は、ケーキのフィルムについたクリームを食べる人を見るのが嫌いだ。 　自分が食べるのも、もちろん嫌だ。 　思い出すからだ。大学時代の、苦い記憶を。 　私の|卑《いや》しさを思い…

二歳の息子を育てる“私”は、棚から賞味期限間近の即席麺を発見する。思い出すのは、まだ息子が赤ちゃんだった時のこと。 「幸せしみるショートストーリーコンテスト」用の作品です。

夫婦で出かける予定だった。 些細なことで喧嘩して、私は逃げるように家を出た。 立ち寄った先のコンビニで、ふと出会った頃を思い出す。

ある日交通事故で死んでしまった松野ほのりと橋田雪斗は異世界で目を覚ました。 しかもそれはほのりが昔読んだ小説と同じ世界だった。 雪斗に恋心を抱いているほのりは一緒に旅をできること…

大学卒業後一人暮らしを始めた。 毎日仕事ばかりで自炊なんてできるわけがない。 そんな自分にとってレトルト食品や冷凍食品は神に見える。 いつものように仕事終わりに食べるものを探して…

ある男が思い出す。あの時の味、あの時の思い。

日々を波風を立てないように暮らす独身の男。 彼は今夜も仕事終わりに街をブラブラと歩き、夕食には何を選ぶかと街を彷徨って、結局コンビニエンスストアへ入った。 そこで、つい手に取…

　たかがカップ麺。されどカップ麺。人によって、その一杯の価値は変わる。

冬のある日、仕事帰りに男がスーパーへ買い物によると、懐かしい赤と緑のパッケージが目に入った。 思い出すのは学生時代に付き合っていた恋人とのエピソード。

赤いきつね緑のたぬきのコンテストに参加しています。 私のよく書くシリーズ李仁と湊音の2021年の話と結婚前の話。 気になった方は 「夫夫来来2021」 https://kaku…

特に特徴もない大学生、狸塚（まみづか)。難解不能な講義で女子生徒の孤崎（こさき）が隣に座ったことがきっかけで、講義を共にしていく。後期講義１５日を共に過ごした話。

何もかもくだらないと思っていたが、今でも思い出す良い想い出の一つ。 私の想い出は山のようにある。そんな中の実話を一つ選んでみた。

　結婚式の披露宴。 　新郎新婦の出会いを振り返るスライドショーで最初にドンッと映ったのは、何故かとあるカップ麺のパッケージ単体で。 「私たちの恋のキューピットは皆さんおなじみ、…