アンドロイドが真夜中に降ってきたら
白河マナ
ある少女の詩 - ①
幼い頃
世界は謎だらけだった
疑問が疑問を誘い
それらを大人が答えてくれた
わたしの世界は
知恵と知識を得て
宇宙のように
加速し
広がり続けていた
しかし
ある日を境に
わたしの疑問は
大人の手に余りはじめ
誰も質問に答えてくれなくなった
答えを求め
伸ばした腕は
ことごとく払われ
わたしの世界は
減速し
広がりを止められ
終焉に辿り着く
やがて
疑問の泉は枯渇し
両腕は
なにも掴めず
硬い地面に爪を立て
血を滲ませる
わたしは体を丸め
渇きに耐え
そのうちに
五体は意味を失い
歳月の果てに残るのは
全ての芽を摘まれた
不恰好で
表面の乾ききった
じゃがいものような
わたしだけ
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