「#文芸」を含む小説

港町。突堤。雨。酒。 長い髪、ほほえみ。波間のひかり。 わたしは、恋をしていたのだろうか。 いまでもわからない。 もう、二度と、わかることはない。

この世の全てが海中に見える少女の前に現れたのは、「死んで海の世界に行きたい」と夢想する少女、「ふかみ」だった。ふかみの奇妙な物言いに呆れつつも、二人で過ごすのが日常になりつつあっ…

猫耳娘パレット編 これはエッセイを小説で書いてみようプロジェクトから生まれた日常系作品です。内容はほぼどーでもいいつぶやきみたいなものなので、そう言うのが好きな人に読んでもらえ…

カクヨム公式自主企画百合コンテスト参加作品。 丁寧で整った暮らしを発信するシングルマザーのち～こと、酒とエナドリとキャラクター雑貨と地雷系ファッションとネイルと札束を白っぽいフ…

レ・ザネ・フォル、動乱の30年代、そして戦争の時代。 かつてパリで忘れえぬ出会いがあったアデライドは夜に舞う。

睡眠時精神没入過剰症という疾患がある。患者は睡眠時に自己の精神世界に過剰に没入してしまい、そこで深い怪我を負えば臓器を痛めたり、昏睡状態に陥って現実に戻れなくなったりするのだ。 …

愛されたことのない人間が好きの感情を受け止めるまでのお話。

ある5月の晴れた日、３年間同じクラスだったが、顔見知り程度だったクラスメイトの仁奈と、ひょんなことから授業をサボり屋上で大の字になって、空を見ていた。 そうしているうちに、仁奈…

煤の雪が降る静かな街、灰平とそこに住む婦妻。学者気質の謎華と元医師の理赦の肺にまつわるエピソードの欠片。あるいは、愛造りの幻想的な小話。

ある夏の夜、私は友人と花火大会に行く。 ※カクヨム公式自主企画「百合小説」参加作品です。

午前1時。学校に行けなくなった女子高生、千代がそっと部屋の扉を開く。待っていた黒縁メガネのお姉さん、夜海といっしょに、深夜の横浜をお散歩する。夏の雨が降るなか、石川町から元町、中…

少女は火竜に目覚めた。成長につれてなんらかの獣の特性が肉体に現れるこの世界においても炎を操るそれは類稀である。運命に翻弄される少女が憎しみと火竜の力に呑まれた時、少女のそばに立て…

人類総電池化計画により、人類の行動が発電に使われるようになった世界。代わりに労働をロボットが代替するようになり、人類は発電効率の良い行動である、セックスに明け暮れるようになった。…

公式自主企画「百合小説」参加短編その６。 リハビリのつもりでサクッと執筆。これまで自分であまり書いたことのない展開にできた気がします。

小学生の私は、出かけた先の百貨店で、壁画に描かれた少女の姿に我を忘れて見入ってしまう。寝ても覚めてもその絵のことが忘れられない私は、友達のお姉ちゃんに連れられて再びその百貨店を訪…

大学のTRPG同好会に入っている望は、彼氏の反対を押し切り、後輩の理子とともに遠征兼合宿に参加した。 打ち上げの帰り、サークルの男子に呼び止められ、戻ってきた理子の様子がおかしく…

２１２４年の札幌で暮らす双子の姉妹、七瀬サキと七瀬シキはつらい過去を思い出す。 自分が人間では無い事を知ったシキは、それでもサキと二人の娘アイと共にある事を選ぶ。 三人の物語はこ…

「どっちかに恋人が出来ても、恋人を交えて三人で遊ぼうね。お姉ちゃんと私、両方同時に恋人が出来て、四人でダブルデート出来たら理想だなあ」 　昔からそう言っていた妹は、実際に恋人が出…

琉球地鳥と棚坂月見は幼なじみ。けれど高校に上がった頃には疎遠気味になっていた。 ある日、月見から好きな人がいると告げられた地鳥は、自身の想いを押し隠し彼女の恋を応援すると言った。…