「純文学 現代」を含む小説

ライト兄弟は双子の信号だった。トラフィックライトだから「ライト兄弟」なのだろうけれど、正確なところは誰も知らない。彼らは今日も横断歩道を挟んで語らっている。 そんな彼らが抱える…

2021年9月13日に内容を大幅に改訂しました。

燈火と美酒を注ごう。終わりと始まり、祈りと呪い。その狭間に生きる、すべての人の杯に。 ようこそ、月浜へ。 二〇二一年六月二十日 『月浜定点観測所記録集　第三巻』頒布開始 詳…

2025年、SNS上での誹謗中傷は激化の一途を辿っていた。 自殺者は年々増加し、人々は次第にその現状に対して何も疑問を抱かなくなっていた。 人は誰しも言葉を用いて、無差別に他人…

2016年小説現代八月号のショートショートコンテストで掲載された作品です。

「夫がいなくなりました」 記憶障害の夫が行方不明になった事がきっかけに、改めて気付かされる愛の物語。 夫がいなくなった本当の目的とは――。 あなたはきっと、涙する。 …

孤児のみはるは、偶然出会ったセイに拾われて一緒に住むことになる。 考えさせられる毎日。 稽古のような、己を高める旅。 人は心を育み、成長していって、何になるのだろう？ 人間の根…

床に額を付けると冷たくて気持ちいいね。 火照った顔の熱をさましてくれる。 そのまま全身が凍ってしまえばいいのに。

ドサッと重い音がして、振り返ると女が倒れていた。ぼくは女の財布から現金と一枚のカードを盗むが、そのカードの裏には電話番号が書かれていて……。 企画「死体が降ってきたところから…

思い更ける青年が、不思議な夢を見たことがきっかけで、北を目指して電車に乗る。ショートストーリー。

　挫折し、書くことから逃げた晴一と、彼のweb純文学の心底のファン「ポテチの森」。 　葛藤を乗り越え、三年振りに小説を書き、アップした晴一。 　そんな彼の前に「ポテチの森」本人が…

自分だけが不幸だと嘆くあなたへ、幸せな人間の不幸な人生を描いた一遍の小説を送ります。 ーー自堕落な生活を送る孝樹は今日も1人で自身の不幸さを思い返し、代わり映えの無い日々を送っ…

例えば本体のないゲームソフトの収集、 iphoneロック解除パスワード0000、 非難轟々の原宿駅現代化。 第1章：月暈ピアス 第2章：PLATONIC ²

今日は母の日です。そんな感謝の気持ちを伝える日には、ちょっとしたスパイスも必要だと思いませんか。一日は「私」にとって、どうしようもなく塵芥の積み重ねでしかないのです。

『死』を迎える少女は、その最晩年に何を思うのか。 どこまでも冷静かつ客観的に『死』を見つめる彼女が見せる 『生』へのこだわり。 死生観が揺れ動く現代に対し 孤独の『夢』を以て終末…

トイレでキスをした。女装さんと。 私は彼女を探すために、姉の死を乗り越えなければならなかった。 しかし乗り越えようとした先にあるそこは、ある世界に生きる人々の領分だった。

【僕は世界が滅ぶ瞬間を真剣に想像してみる。空は何色だろうか。風はどのくらい吹いているだろうか。温度は。においは。音は。誰かの声は聞こえるだろうか。もし僕がそのときカメラを持ってい…

【そうだなあ、とオレが返事をする。この声が彼女へ届くことはない。】 おいしいディナーをこしらえた女性と、その恋人の男性の話です。 （別名義で書いていた小説の再アップです）

2020年、新型コロナウイルス感染拡大と外出制限がかかる世界で、徐々に死んでいったものとは。

『僕』こと鷹野一季は、小学校からの同級生でもあり、恋人でもある滝沢彩葉からの「タイムカプセルを開けたいんだよね」という突拍子もない一言を受け、当時通っていた小学校へと向かうことに…