「明治/大正」を含む小説

～ただ、ささやかに生きて、ひっそりと死にたい～　そう願う少女がいた。 明治末期の帝都・東京。 手広く商売を広げる商家・三笠家の長女として生まれた絹子。 しかし、絹子の父・茂は婿…

2001年のある日、初孫の生まれた実母に会いに、その息子は二日酔いすれすれの体にムチを打って？、バスと船を乗り継いでとある島に出向いた。 そこには、見かけたことのないはずの年配の…

千枝は『見鬼の才』を持つ侯爵令嬢に仕える侍女だ。令嬢の婚約者、直幸はその力を知り仕事の手伝いをたびたび依頼してくる。立場上、断ることができない千枝は助手として帝国を奔走する。 …

私は同じ生を繰り返している。 先に待ち受ける悲劇を食い止めようと頑張っても、待ち構えているのは死。この世は私に非情で優しくない。私はただ、人並みの幸せが欲しかっただけなのに。 …

時は明治、文明開花の象徴であった鉄道の開通、ガス灯、散切り頭。白シャツにトンビコート、下駄姿は舶来の文化が入り混じっていた。 賑やかな祭りの最中、正一は悪友に見世物小屋につれて…

時はいまよりも少しむかし。なだらかなみどりの山に囲まれた村里で、ひとりの花嫁が嫁ぎゆく。 明治、大正あたりの農村をイメージした、神とむすめの祝福のものがたりです。元は某公募に出…

殺伐感情戦線第二十七回お題「糸」 　製糸工場の工女になり、対等な立場になったはずなのに腐れ縁の士族の娘、お梅にこき使われる元召使い、お里。 　彼女は、自分が片目を失うことになった…

小柄で痩せっぽちで女顔が悩みの種の男児高校生、稲庭八尋。引っ越し当日に双子の姉に連れられて、明日から通う新しい学校を見学に行くと、堤防で出会った金髪女子に誘われ、釣り研究部への入…

蝶々夫人、ミス・サイゴン

大正日本。迷信も偏見も、今以上に色濃かったこの時代に、一匹の影法師のように黒い耳の欠けた子猫がいたとさ。 お読み頂いた方ののべ半数以上が応援をしてくださいました！　こんな拙作に…

いつも通る道から見える屋敷の二階、そこに佇む美しいあの方の姿。 名家の長男を慕うひとりの少女に届いたのは、恋い焦がれるあの方からの秘密の手紙だった。 約3000文字ほどの短編で…

ある日、極東の島国で、北の魔女は可愛い男の子を生みました。 その日、西の果ての精霊の国から、麗しき魔女がやって来ました。 美才の魔女の腕の中で、魔女の子は、自分の未来も知らぬ魔女…

明治維新があったとはいえ、その政治体制や社会構造は江戸時代とまったく変わらなかった。ところが、１８８０年国会開設が決まり、１８８９年憲法が制定された。明らかにおかしい。そう、そこ…

明治、大正を舞台にしたファンタジーという企画があったため、書いてみました。 興味ある方は、ラフマニノフの前奏曲「鐘」をきいていただけると、うれしく思います。 もう少し、長いものに…

明治・大正時代の日本最初の近代劇女優と言われた新劇女優松井須磨子をモデルとし、各種歴史資料を基にした、小説（フィクション）です。 2度の結婚、そして離婚。スターへの道　妻子ある…

九州地方には河童伝説があちこちに蔓延っている。 そんな河童たちをまとめる総帥、海御前（あまごぜ）という妖怪が北九州市門司区に棲まうという―― 都心から離れた場所にひっそりと店…

新妻ミツバ、旦那様が私に手を出さない理由を知りとうございます！

私は日本を発つ前に、ある友人のもとを訪ねました。ことあるごとに人の揚げ足を取るような生意気な彼は、実は病に侵され、命ももう幾日もないのです……。 夏目漱石と正岡子規の最後の対面に…

歴史のダイナミックスを紹介するエッセイ。 江戸時代から明治、大正、昭和と移り行く時の中で、名古屋の遊郭はどのように変わっていったのか？

「私は呪われている」 　そう書き置きを残し、ある日突然恋人の香沙音は消えた。残された妊娠検査薬は陽性。ネットの検索記録には「自殺」。 　香沙音を捜すうちに明らかになる、陰織一族に…