「昭和？」を含む小説

時は昭和初期、所は房総。 死体を前に、一人の女が呆けていた。 「人が人を殺めてしまったとき、山育ちは海に流し海育ちは山に埋めると申します。ですが、私には何処に棄てる場所がありまし…

小昏い意識の谷底で忘れさられた記憶が溶けあい、いつか一つの淋しい街をつくった。 さびれ静まりかえったその街で、影法師のような人々とぼくはめったにものも言わずひっそり暮らしていた―…

戦争が始まって随分と経つ。 昭和十九年の夏、少女はこの頃毎日社を訪れては、手を合わせて願いを祈る。 大好きなとうちゃんとにいちゃんが、無事に帰って来ますように── そんな健気…

赤いきつねと緑のたぬきは永遠に相容れない存在なのか……? そんな疑問に哲学的かつSF的な解釈を大胆に試みる問題作!? そして敬愛する石森(石ノ森)先生に長坂先生ごめんなさい。

今、朝ドラで評判の「らんまん」の主人公が話す「土佐弁（＝高知訛り）」満載。昭和３０年代、高知市の西部にあった、小さな旅館「刻屋（ときや）」の女将（＝お寅さん）は男勝りの「ハチキン…

続・穂高市役所ストリートビュー年史

田舎で育った耕太郎はぐうたらで、あんぽんたんだが、威張り散らしているやつが大嫌い。東京の外れの新聞店で働きながら大学進学を目指していたが、強欲で、居丈高な所長夫人ガマと激しく衝突…

世に倦んだ少女「ふゆ」とあやかしたちの話。 なろうで連載していた、 九谷(霊）環境調査株式会社の見習い調査員 の途中の章です。ここだけで読めるようになっています。

大正から昭和中期まで生きた男、榊《さかき》源三郎《げんざぶろう》は天寿を全うした後に天国に還り、現在は天国の役所に勤めている。 源三郎は突然の人事異動により召喚に応じて地獄の法…

昭和二十年、夏。長崎の高等女学校の少女二人は、エス（少女同士の疑似恋愛）の関係にあった。戦争の終わりは近づいていたが、それを知らぬ少女らは、運命の八月九日を迎える……。「小説家に…

写真からのinspiration https://kakuyomu.jp/user_events/16817330661530288534 お題の写真は、こちら↓ https:/…

実話を元にしたエッセイです。 教護院とは、16才位までの少年少女の 更生施設です。 少年院とは違い、前科は付きません。 少年院の一歩手前の更生施設と言われます。 全国にある、短期…

昭和40年後期。作家志望の私は不意にある蛾をひき殺してしまった。そこからどうにも、あれが気になって仕方ない。

愛する人（転生者）の代わりに呪詛を受けた冒険者は現世（ただし、昭和の高度経済成長期）に転生する。 わかっていることは、時限式の呪詛でいずれ、どうにかして元の世界にもどされること。…

１６歳の男爵令嬢シェリーには、大きな秘密がある。それは、読んでもいないライトノベルの世界に転生していたこと。 「いきなり転生って言われてもねぇ。で、ラノベってなんのこと？」。前世…

大学を卒業して赴任した会社で、研修を終えて新たな赴任地に配属になったのは、今から３０年ほど前のこと。昭和の臭いが残る時、佐伯はそこで一人の女性と出会い、恋愛を経験した。社内恋愛が…

広島在住、そろそろ還暦のおっちゃんが いろいろ見聞きした事を書いていきます。 思い出した事から書いていくので、時系列的にはバラバラです。 昔の記憶なので、記憶違い、見間違い、聞き…

潤は祖父の実家で古いライカと一冊のアルバムを見つけた。どこかの街並み、飛行場、風景写真、と一人の女性の写真。 夏休みを利用して、大はその中に映っているものを探しに出た