「円城塔 短編」を含む小説

仙人は霞さえ食べれば生きられる。その性質を活かして、芸術家支援のために仙人制度が設けられた。これは仙人試験に合格し、どこまでも仙人として生きた、あるひとりの仙人の物語。【カクヨム…

私は仕事帰りに“自称”魔女のサトウさんを拾った。屈託のない笑顔で荒唐無稽な与太話をする彼女だが、なにやら呪いに悩まされているという。私たちはカップアイスを食べながら、呪いを解くた…

悪徳の種は、そこらじゅうに転がっている。私たちがそれと気付かぬだけで。 ＜カクヨムweb小説短編賞2023　「円城塔賞」応募作品＞

父が死んだので、娘は父の愛人に連絡を取らなければならなかった。 父の愛人であるという、とびきり綺麗な男の人に。

アルバイト漬け、何の希望も持てずに生きていた「私」。ある一人の少年との出会いを経て、「私」はかつて思い描いていたなりたい自分を生きるようになった。 今の自分に悩みを持つ人に、届き…

以下の自主企画への書き下ろし。 ●柴田恭太朗さんの自主企画 三題噺♯50（🎉柴田さん、企画第五十回おめでとうございます！） お題：「喧嘩」「紋章」「つぼみ」 　　　この三つのキ…

カクヨムコンに応募しようと思ってストックしてあった小説があったんですが、それの導入が「アラスカ上空で飛行機がロストする」ってやつで、投稿しようとしたらちょうどアラスカでボーイング…

美結は一人でいるのが好きでいつも図書室で本を読んでいる。 そんな美結にも明るくて誰とでも話せる有紗は時々話し掛けてくる。 美結はそんな有紗みたいになってみたいと時々思う。 有紗み…

――私はこの世界が大嫌いだ。 自分の世界が大嫌いで嫌気がさしていた私が思いついたのは別の世界を創ってしまおうということだった。 瓶詰めの世界を作った私が見たものとは……

寝付きの悪い子どもだった私の息子は、もちろん寝付きが悪い。寝かしつけるにも一苦労だ。 そんな私に夫が寝かしつけを変わると言ってくれた。 夫の言葉に甘えて少し休むことにした私が、う…

コールドスリープから目覚めると、隣で寝ていたのは私を捨てた男だった

その巨人はあまりに大きくて、頭の方が霞がかかって見えない。 その巨人の身体はいわゆる人とはかけ離れている。 その巨人が何頭いるか未だに把握されていない。 その巨人の生態は何一つわ…

仕事のミスで上司には叱られ、後輩には笑われる。更には残業。 散々な日だった。 だけど、家に帰れば……。 ※小説家になろう、エブリスタにも掲載しております。

大輝には彼女が三人いる。 三人がそれぞれに魅力的なのだから全員と付き合いたくなるのはしょうがない。 もちろん三股を掛けているのは彼女たちには秘密だ。モテまくりで幸せな日々。 けれ…

病院で働く介護士の長い夜勤の話。

俺は誰にでも優しいらしい。 そんな俺を好きだといってくれる女の子はこれまでに何人もいた。 だけど俺は恋が出来ない。 学生時代に別れてしまった彼女が今でも忘れられないから。 そんな…

祖母の愛犬マロンがある日脱走してしまった。三日後には発見されたが、以前のマロンとは何かが違うことを、孫娘は気づいてしまう。その違和感の正体は何か、そして祖母の秘密とは…。

短い散歩から帰って来た夫が、「ATMから昆布が出て来た」と口にした。私は半信半疑だったが、どうやら本当のことらしい。SNSや報道メディアを巻き込んだ騒動は、やがて北の海に辿り着く…

忘れていたまだ幼女だった十年前の忌まわしくも哀しい想い出が、今還って来る。

郷愁と、新しいスタートと。ーーそれは恐ろしくも懐かしい恐怖と共に。