「史料」を含む小説

考古学者ヴァイスマン教授は約二千年前の騎竜時代に残された王墓を専門に研究していた。 当時を生きていた雅は彼の講義を受けて興味を抱き、からかい半分に彼の研究室に入る。 なぜ王墓は迷…

　タイトルは『北武の寅』（ほくぶのとら）と読みます。 　幕末の埼玉人にスポットをあてた作品です。主人公は熊谷北郊出身の吉田寅之助という青年です。他に渋沢栄一（尾高兄弟含む）、根…

三国志演義でお馴染みの趙雲。彼は正史においては記述が少なく、どのような人物であったのか想像が難しい人です。そんな趙雲に光を当てるのが「趙雲別伝」という史料ですが、信憑性に疑問があ…

　源義経が、壇ノ浦の戦いで、平家側の水手・梶取（水夫、船頭のこと）を射殺したという、昭和に生まれた風説がある。 　史料としての根拠がゼロの話なので虚構なのだけど、あまりに有名な…

従来の「長州ファイブ」は、伊藤博文・井上馨の史料からしか述べられていない。だが、長州藩が選んだのは、山尾庸三と野村弥吉の二人だった。なぜ二人が五人になったのか？従来いわれているよ…

　幕末に来日したイギリス人外交官アーネスト・サトウと、後に初代総理大臣となる伊藤博文こと伊藤俊輔の活動を描いた物語です。終盤には坂本龍馬も登場します。概ね史実をもとに描いておりま…

第一次史料というのが日記も含めて、戦場におけるものは不正確で【蓋然性が高い】とは必ずしも言えないし、精査が必要と考える。

本作は立花家について記録した浅川聞書という本の内容を理解するために雑に翻訳して物語風に仕上げたものです。 立花家は雷神こと戸次道雪を祖とし、福岡南西の柳川の地を治めた立花宗茂の領…

「何も原始人に転生させなくたっていいだろう！？　そりゃあ何をしても史上初になるだろうけども！！」 神様の手で、現代から七万年ほど前の原始時代に転生させられた主人公。 服すらまだ…

　最近は漫画「キングダム」のヒットで注目度の上がってきた中国の戦国時代（紀元前３，４世紀）は、都市を囲む城郭が急速に巨大化し、最大規模のもので城壁の厚さ２、３０メートル、全周２０…

※　歴史ファンタジーです　※ 　戦国末期、奥州から天下を睨む一人の若者がいた。そしてその傍らには影の如く寄り添う男が---。互いに龍をその身に宿す主従の絆の物語。 ※ 設定は…

ウソの歴史。

Web小説で本格時代小説を……。 新選組が結成されるはるか前、永倉、土方、斎藤は、すでに出会っていた。幕末を駆け抜けた男たちの青春が交差する。 永倉新八の前半生の詳細は、ほとん…

長宗我部家の次男、香川五郎次郎に災難が降りかかる。戸次川の戦いで尊敬する兄・信親を喪い、父・元親も消息不明になり、家を支える当主代行を任されてしまうのだ。凄すぎる兄と偉大な父を見…

慶応三年11月15日、京都河原町通向かいの近江屋。この日この場所で、坂本龍馬は暗殺された。その時、その騒乱から逃れていた少年は何をしたか。その後の世界に何を感じたのか。 史料がほ…

　かれこれ１０年以上前に史学の大学院（東洋史専攻）に在籍していたものです。 　最近部屋を掃除していたら、学内の研究発表に使ったレジュメの下書き原稿のデータが入ったＵＳＢが出てきた…

　『三国志』魏書烏丸鮮卑東夷倭人条。いわゆる『魏志倭人伝』。 　卑弥呼が女王として国を治め、魏（曹操の一族が建てた中国大陸北部の国）に使者を派遣し、親魏倭王の称号を受けたことなど…

憧れの司書官に任命されたエステル。王の義妹でもあるエステルに任された初仕事は、地下書庫にある非公開史料『愚王の遺産』の処分だった。 訳も分からず向かった地下書庫で両腕のない青年ユ…

　西暦2395年。常陸都 東京市、城南大学の史料編纂室より。 　未だ真相が知れない、100年前の、あの事件。 　中核に触れようとするほど、茫として焦点を失う。 　ただ、当時のロ…

　（『餓鬼の咄』から改題） 　日本史上最悪の飢饉として悪名高い「天明の大飢饉」をテーマに書きました。 　舞台は江戸時代の天明四年（１７８４）。どこにでもいる普通の百姓が飢餓状態に…