原初の太陽が灯るとき　消された古代史

　『三国志』魏書烏丸鮮卑東夷倭人条。いわゆる『魏志倭人伝』。
　卑弥呼が女王として国を治め、魏（曹操の一族が建てた中国大陸北部の国）に使者を派遣し、親魏倭王の称号を受けたことなど――古代日本の様子を記した数少ない史料として、多くの人に知られていることと思う。
　だが、それより以前の歴史を記した『後漢書』東夷伝には、卑弥呼よりも昔にある人物の名が見えるということは、意外にも知られていない。
　その人物は中国史上に初めて名前が記された日本人なのだが、その素性は謎に包まれている。世界の歴史に現れた最初の日本人は何者なのか――この古代史の謎を、ある男がまったく別の角度から追り、たどり着いた村では祭りが催されようとしているところだった。

　
※こちらで書かれている歴史ならびにその解説については創作上…続きを読む