「眺めるだけ」を含む小説

「ネエ坂春サン、コノ席ニシナイ？」 　その新幹線の乗客は、たったのふたりだった。 　ひとりはバックパックを背負った老人、もうひとりはバックパックを背負った化け物。 　そん…

　剣と魔法のファンタジー世界を舞台(？)にした、ちょっと変わったショートショート＆短編集です。基本は一話完結のオムニバスもの。各話が独立したストーリーで、ジャンルや文体、新聞形式…

渚真姫は男子に告白されようものなら、玉砕という言葉が可愛く思えるレベルの仕打ちをする美少女である。 故に、観賞用。 手を伸ばして触れようとせずに、遠くから眺めるだけにしておくが…

　この世界がいつからあるのか。この世界が何なのか。人には知るすべなどない。 　ひょっとしたら、この世界にいる何者かが快適に暮らすためにつくったのかもしれないし、別の世界から眺め…

にぎやかすぎる花見客から逃れ、ひと気の少ない神社で桜を眺める。 なぜか幽霊付きで。

　定免隆三は高校教師。二年生の私立文系クラスの担任をしている。クラスには問題生徒がいるが、松山慎弥もその一人。松山は校門指導でライターが見つかり、謹慎処分を受ける。松山の家庭環境…

【直観】推理や経験によらず、直接的・瞬間的に物事の本質をとらえること。 ・放課後の教室で谷垣君の描いた絵を眺める郁実は何か引っかかりを感じていた。この一枚にだけ、どうしても目が…

　幼なじみの兄弟海（かい）と陸（りく）との偶然の再会からなんだか風変りな関係に巻き込まれていく神奈（かんな）。幼稚園時代から家同士の婚約者がいるお嬢様の聡子（さとこ）や、道場主で…

春、桜舞う季節。東京一等地にある四畳一間のアパートに越してきた芦屋平兵衛は、大家族の末っ子としてこの世に誕生した。が、実家の大人数の生活に呆れ果て、引っ越した都会。しかしそこに待…

マンションの15階の隅部屋で暮らす、二人の女子高生のお話。 いつもより少しだけ豪華なご飯を食べて、久しぶりの娯楽を楽しむ、ただそれだけのお話。

青春といえば何を思い浮かべるだろう。恋愛に部活、夕日のさす教室から友達と眺めるグラウンド、風に乗って運ばれてくるほんのりと甘い髪の匂い。 その定義は人それぞれだ。もしかしたら…

卒業式前夜、お世話になった友達に向けて手紙を書いていた。 数々の思い出を振り返りながら、少し震えた字で。 書き終えて、一枚、余った便箋を眺める。 「ちゃんと余らないようにし…

塔の中から 此方を覗く彼女は とても美しい。

高校２年の冬 田辺は自分に何の才能があるのか、やりたいことがなんなのか、見つけられないでいた。 ある日の放課後、窓からグラウンドを眺めると、女子ソフト部が練習をしていた。 その中…

「ウホオオオ！！」 薄暗い廃倉庫に、雄叫びがこだまする。 その目からは生まれ持った優しさは消え、凶暴な野生の本能が燃えていた。 ある朝目覚めると、早乙女あゆむに獣人化（アニ…

自身の醜さにコンプレックスを抱き続ける土鳥（つちどり）里子。彼女の唯一の慰めは、崇拝する見矢園（みやその）亜優香（あゆか）をそっと眺めることだった。 ガチ百合です。耐性のない方…

　本堂あきら、高校二年生。 　趣味は星を眺めることであり、幼馴染みである白石亜香里や天文部仲間の友人達と毎日の青春を謳歌する普通の好青年である。 　だがその何気ない普通の一日は突…

　大好きなガールズラブアニメの推し女子キャラクター二人のふれあいを間近で拝むため、『俺』は『壁』になった。大学のゼミで世話になっている教授が、二次元キャラクターの日常風景を限定的…

★登場人物 ･夕凪ゆらぎ 　本作の語り手。二十五歳。少女時代は高校一年生。現在は絵本作家になっている。少々思い込みが強い。 ･小音琴美誠 　駅のホームで出逢ったゆらぎの友人。…

枯山水を眺める。私はだあれ？