「トランク」を含む小説

※2024年11月、番外編始めました。今年も生首の季節がやってきた。 俺の仕事はみっつある。 一ヶ月間このトランクケースを死守すること。 最終日にそれを港へ届けること。 その間…

この世には死んだ人間の魂を宝石に変える宝石商が存在するらしい。 アンティーク調のトランクを片手に、妻を亡くした老人の元へ、我が子を亡くした母親の元へ、兄を亡くした妹の元へ。 様々…

逃避行と言ってしまえば、ロマンスの雰囲気ですべて誤魔化してしまえそうだった。 身を貫くほどの後悔を、まるごと車のトランクに隠している。 引用文献 宮沢賢治 『新編 銀河鉄道…

言い争った相手の男を殺してしまった二人組。トランクの中に死体を押し込み山奥へと向かうが…。ふとしたことで疑問に思う事が次から次へと錯綜してしまう。

｢光華諸学院に転校しろ。｣ 立場的には、ぼくの義父なのだろうが無茶を言ってくれる。光華？ 諸学院とはなんぞ？ ｢大丈夫だ！ 行けばすべてわかるようになっている。かわいい女の子…

――部屋に帰って来ない恋人を待つのは、もう疲れた。 私はトランクに荷物を詰め込み、駅へと向かう。 古びた駅の待合室。ベンチの上に、眼鏡がぽつんと置かれていた。 誰かの忘れ物だろう…

探検家ロカテリアの気ままな旅路は、自分専用のトランクのオーダーをなかなか引き受けてもらえなかったりするのだ。 『KAC2024 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ …

探検家ロカテリアの気ままな旅路は、だいたいトラブルと隣り合わせなのだ。 『KAC2024 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2024～』 第一回お題 書き出しが『…

日本国内にいながら、古き良き英国の世界にタイムトラベルが出来る。そんな幻影の世界が物語の舞台である。 主人である十八歳のヴィアトリカ・ビンセントの傍らには常に、背のすらっとした容…

田中は家政婦斡旋所の所長を務めている。 ある日、目つきの鋭い廣岡という男が事務所にやって来るとおもむろに 「貴様をロボット奴隷規制法を犯した罪で逮捕する！」 と言い放つのであ…

何故にこんな場所で、傘をさしたままトランク一つだけを抱え、泣きながら歩いている女性、それもどうやら海の向こうからやってきたであろう女性がいるのだろうか。 とある町で偶然であった…

※不定期更新※ 『魔物』の存在が露呈して10年。世界は『魔物』により非日常が日常と化していた。後天的巻き込まれ体質のマサヨシはある朝、何故か自宅の廊下で目覚めると、玄関のドアが紛…

トランクひとつで引っ越します。 餞別代りに渡された友人からの手紙の封を切れば、出てきたのは花の種でした。 ※別サイトにも重複投稿しています 鳥尾巻さまの自主企画に参加。 お題…

秘密親父は、不思議なパンツをひろう そこには、片山のボスと書いてあった、 普通のトランクパンツなのに、 それは、ハッカリベンジャーずの ボスの罠のはじまり、 世界のネッ…

杏奈は殺人事件のあとはじめてダブルベッドで寝たが、もちろん眠れるはずもなかった。 真夜中をすぎても、暗闇の中でますます目がさえて、窓の外の通行人の足音や遠くの車のタイヤのきしむ音…

異常に長い冬、吹雪の日。偏屈者の女将が営む場末の宿屋に、ひとりの美しい少女が訪れた。トランク一つを提げて、不機嫌な顔で。 ぶっきらぼうな女将と、ふてぶてしい毛玉の猫と、名前を名乗…

ぼくらが過ごした九十三ヶ月は永遠に続くのだと思っていた。 その暮らしは三ヶ月前に終わり、半分だけ広くなった部屋に…… ひとつのトランクケースが残されていた。

地面の底に埋められた種から芽が出て、やがて地上に出るように、私の心の奥底にいつの間にか芽吹いた情熱は欲望となって身を焦がし、自らの進むべき道を燦然と指し示すようになった。