概要
これは、一風変わった宝石商による死者と生者のお話
この世には死んだ人間の魂を宝石に変える宝石商が存在するらしい。
アンティーク調のトランクを片手に、妻を亡くした老人の元へ、我が子を亡くした母親の元へ、兄を亡くした妹の元へ。
様々な死者の魂を宝石に変えて、宝石商は人々の間を流れ彷徨う。
宝石商の名はリコリス・エーデルシュタイン。
これは、遺された者と遺していく者たちとの最期のお話。
アンティーク調のトランクを片手に、妻を亡くした老人の元へ、我が子を亡くした母親の元へ、兄を亡くした妹の元へ。
様々な死者の魂を宝石に変えて、宝石商は人々の間を流れ彷徨う。
宝石商の名はリコリス・エーデルシュタイン。
これは、遺された者と遺していく者たちとの最期のお話。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!宝石を通じて温かな愛が溢れ出す。純真な心と丹精な筆致が織り成す人情物語
一話一話が人の愛に満ち溢れた作品。大切な人との輝かしく温かい日々、その人を喪ってしまった翳り、そして沈殿した悲しみが慰撫され、昇華されていく過程と心情描写がとても丹念に描かれています。それら全てを一点物の宝石として形作れそうなほどに。
亡くなった人の魂を宝石にして、遺された人へと届ける見目麗しい宝石商、リコリス。彼女が現れると、遺された人々の止まっていた時間が動き出すよう。彼女が宝石の入った箱を開いて見せれば、遺された人々の心も開いていくよう。緩やかな停滞と再起して動き出し、彩られていく作中の流れが、まるで映像を見ているかのように美しい。緻密な彫刻をなぞっているかのようにも感じられます…続きを読む