光華諸学院奇譚

｢光華諸学院に転校しろ。｣

立場的には、ぼくの義父なのだろうが無茶を言ってくれる。光華？ 諸学院とはなんぞ？

｢大丈夫だ！ 行けばすべてわかるようになっている。かわいい女の子もいる学校で、青春ってやつを謳歌してくるんだ。｣

ぼくは、この義理の父上とはあまり、仲がよろしくなかった。
｢なんなんですか？ この光華諸学院というのは。」
｢全寮制の中等教育機関だ。」
｢どこにあるんです？」
｢聞いてどうする。」

｢ぼくがこれから行くんですよ。聞いて当然でしょう。」
｢……知らんな。」
｢行かされるぼくも知らない。いかせるあなたもわからないって、そんなはずないでしょう。」
｢具体的な場所は、知らないし、知っても意味が無い。」
｢はあ？ 異世界ってことですか？
それとも、ぼくには教えたくないんで…続きを読む