「和風 短編」を含む小説

『鵺』 見知らぬ和室に縄で縛られていた。 延々と開き続ける襖。門をよじ登って外へ出ても、いつの間にか戻っている。 誰が何のために私をここへ連れてきたのか。 なんという大きさだ…

実は昔話の真実はこんなのだった……？ よくある童話、童謡というものは伝聞などによって話が脚色されたりしたもの……かもしれません(知らんけど) 桃太郎、金太郎、色々ありますがあなた…

※この作品は『連理の契りを君と知る』 episode６「静雪が包む夜に」（https://kakuyomu.jp/works/16816700428214189002）の続きにあ…

幼い頃に紅葉の下に捨てられた私は、毎年毎年その『紅』を怖がっていた。 怖がりながらも引き寄せられるその『紅』の下、幼馴染の“彼”が『楓』という呪縛を解きほぐしてくれて…… 『…

知人に捧げました『人外マッチョ×中肉中背の人間』の話です。

上京したての早乙女春一は、理不尽にも会長から『孫を見つけ出さないとクビ』と言い渡される。 途方にくれる彼が頼る事にしたのは、小説家の尾崎慎。そして彼に会いに行くの…

沢で釣りをしていた武琉（タケル）は、猪に追いかけら逃げてきた白絹の着物をまとった少女と出会った。 彼女は名前がわからないというので、武琉は彼女に皐月（サツキ）という名を与えてしま…

これは、一柱の神様と、一人の人間の従者の恋の話。 とあるお社に住まう神・陽翠の毎日は、従者の暁月に髪結いを頼むところから始まる。 陽翠は髪結いを通して、変わらない日常に幸…

生きたいと願った時から、長い朝と夜が始まった。 日常の隙間にそっとあらわれる、 あやかしを見る人々と時を超える女性の物語。

私は禍津神の血を引く妖、紅羽。 私を愛しているという鬼が、いつも隣にいる。 送り火の日の宵の口、神隠しを求める人の子に、私は恋をする。

歴史好きの下級役人は、ひょんなことから歴史書を編纂する仕事を任される。 それは国の歴史を時に大きく、時に細かく、語り直すことだった。

結婚して早５年。愛の言葉ひとつ囁いた事のない神様が、妻に「愛してる」と伝えたい話。 ※少し暴力描写があります。セルフレイティングの設定基準がR15(by公式)なので、付けてはいま…

　杏子（あんず）は杏の精霊である。名字はまだ無い。 　季節は春。華やかな桜に隠れて、控え目な花を付ける杏を観に訪れる者はほとんど居ない。 　それでも彼女は信じていた。いつの日か杏…

月鬼。 月からやってきたという鬼は、それはそれは美しい姿をしていたそうだ。 時が経ち、その姿もはるか昔のこととなった現在。 色素が薄いものほど尊ばれる月鬼の一族の中、三津木香夜…

この世には、人が寝静まった後にも蠢くものがある。 煙管の煙をくゆらせて、女が一人、闇に舞う。

白く小さな蝶は、山奥でひっそりと暮らす男が絵師であることを知っている。家の片隅に置かれた素晴らしい絵を見たことがあるからだ。青々と茂った草花が、優しい春の陽光が、生を謳歌する生き…

ぼんやりとして不明確な、言い表せない何かを言葉にしたいだけのお話。 「KAC2022」第七回参加作品

「私をわかってくれるのはあの人だけだった」 　狂気的な愛を胸の内に秘める孤独な仙人、析易。どこにもなじめなかった純情な胡琴弾きの少女、ミオ。 　ひょんなことから出会った二人。山…