短冊を篝火に天の川は旅して

藤泉都理

催涙雨




 久々だった。

 七夕が晴天だったのは。

 ここ数年はずっとずっと催涙雨だったから。




 コネギ、ワサビ入りのそうめんつゆにそうめんを半分浸して、すする。

 巧いと心中で力強く呟き咀嚼しながら、手と視線は並々とそうめんが盛られた大きな透明硝子の器へと向ける。

 そうめんの他に、ぶつ切り氷、ミニトマトとキュウリの輪切りが軽やかに浮かび、箸を入れる度に、涼やかな音色が微かに響き渡る。




 これから忙しくなるのだ。存分に食べないとな。











(2022.7.7)



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