「百合文学」を含む小説

最後の学校行事が終わり、私と彼女はこれから待ち受ける諦観に塗れた生活に辟易していた。それが原因だったのか、あの時起こした行動は、私という人間からは大きく脱線した行為だった。

最愛の彼女が海に消えた。 ＊　＊　＊ 気がつくと海の底にいた。 そこで、十年前から忘れられない、麦わら帽子の少女と出会う。 『ここは、海の底。なくした現実を取り戻すところ』 …

いっしょに「船」に乗り込んだはずのアキラが不意にいなくなり、周囲を探すミツキ。 しばらくしてからようやく見つけたアキラは、窓の外を見つめていた。

百合文芸コンテスト2に投稿した実存的歴史哲学的共産圏百合小説です。女のドン・ファンであるテレザとプラトンの神話の少女プラヴァチェカの愛を巡る闘争の物語。

　大学の読書サークルで知り合った彼女。  　なんとなく意気投合して、文芸イベントに大学のサークルで参加したりと楽しく過ごしていた。  　卒業後、郷里にもどる彼女と疎遠になるのが怖…

クリスマスの夜、サンタと出会った少女のお話

　高校2年の春、事故により記憶喪失になった百川翠は周囲に溶け込めず孤独な日々を送っていた。 　偶然かつての親友、紫咲アイと再会するも互いの記憶のずれが日に日にストレスをためていく…

　孤独な主人公は、ある日美しい少女に助けられ、彼女と親交を深める。しかし主人公の愛情とも呼べる友情はどんどん歪んでいき……。 小説家になろうで一話ずつ公開してます。 http…

美人で、人当たりがよく、誰からも好かれるトモダチの芹沢まなか。 しかし、彼女には「秘密」があった。 それは、風俗で働いていること。 彼女からその「秘密」を打ち明けられた私は――

『サルビアとガーデニア　小説家志望の彼女と私』の番外編です。 本編に登場する人物たちが、文学にまつわるグルメ話をしたり、グルメスポットを訪れたりしています。 『サルビアとガーデ…

私は、彼女のことが憎たらしいです。狂おしいほど愛しています。大嫌いです。閉じ込めてしまいたい。どうしてこんなにも苦しいのでしょう。またそうやって彼女は私に呪詛を吐く。その瞳に私を…

【オンライン小説企画】東京恋愛地図　―TOKYOROMANCE2020　参加作品 https://note.mu/asa_co/n/na26820730cfa 2020年、東…

級友の二人が飲み込まれた数日後、ゆりねは交際相手のしおりから人喰い自動販売機を利用する事を提案される。

　初冬のある日、私は先輩の部屋を訪ねた。 　表向きは柿を貰いに。でも本当は大声では言えない先輩の季節の風物詩と、先輩の心を手に入れるために。 2021/09/05　違法コピーサ…

音楽室で、友だちが腕を切っていた。 殺したい。息苦しい現実の中でフルートを吹きながら、二人は共に願った。 現に秘せられた、幻覚のような傷と音色の青春。中学三年生の夏。 ＊一般的に…

歌舞伎町で、女の子を拾った。 高校生の彼女と、院生の私。 彼女と私の繋がりは、飴細工のように繊細で……

第二十六回文学フリマ東京にて頒布した「いつかの雫が還る場所」冒頭一話分です。 「いつかの雫が還る場所」共著：木乃千紗子 全12話／文庫サイズ／68頁／500円

花の命は短いものである。 依子は人が嫌いであった。 しかし、花や鳥。自然のものに対しては美しい心の持ち主であった。 そこに現れた一人の少女。そして変わる心と生活。

世界が滅んだ後で、少女ニナは目覚めた。そこにいたのは、もう一人の少女ヘザー。 誰もいない、何もない世界で、二人は生きていく。安楽で、平和な、望み通りの生活。 けれどニナはやがて、…

　やっぱり、ハナは温かいわね。あの人とは違う。 　え？　だれ？ 　ううん、気にしないで。 リカは笑って首を何度か横に振り、答えなかった。妙に大人びた言い方。それは家族の誰かなどで…