仔猫殺しとリストカット
四葉美亜
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――背の低い木の横から、澄んだ青い瞳の白猫が顔を覗かせている。地面に横になって、身じろぎひとつもしない。小さくて真っ白で、きょとんとした表情のまま、私を見詰めている。
口からは、小さな紅色がはみ出していた。
無造作に留められたその一瞬。ちょっとでも動けば壊れてしまう脆さ。毛並みの白さは、余分な赤やピンク、土の汚れを、少しも許さないほどに隔絶している。何も見えない瞳は、たったそれだけで、純粋に輝いていた。――
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