「届かない」を含む小説

森に住む爆弾魔が主人公の物語。 毎晩 22:15更新

刀根田村。 古来より。独自の神、八千矛神(やちほこのかみ)を祀るその村は、毎年神事に供物を捧げていた。 だが、十年に一度。 八千矛神に生きた贄を捧げていた。 そして今年、選ばれ…

「眠るというのはどんな気分なのかしら」月を見上げて魔女が言った。眠ることも、滅びることもできずに永遠の時を生きる傲慢の魔女グリシフィア。七人の大罪の魔女の一人にして、自身の劇的な…

　こちらは、ハイファンタジー『氷結の魔術師』のスピンオフ作品です。連作短編である『雫の追憶』と、短編『闇の魔術師』の二部構成です。いずれも本編の敵役の裏側を描いたお話で、どちらか…

繊細な人間だった。 まるで、叩くと儚く割れるガラスのような。 ―――境界線、この世の果て。 その向こう側にいる彼女に、手が届かない。 グラスに注がれるは、蕾の朝顔、枯れた光。 …

千年桜の精霊、桜の乙女の桜花姫は今日も丘で唄い続ける。 しかし、唄はいつまで経っても、人間の心には届かない…… この物語は、桜の精霊と中学生の少年の切なく甘い恋愛ファンタジー。 …

この街には灰が降る。灰は病を運ぶ。 灰咳病という病気がある。その名の通り、咳を伴う。 この孤児院では咳をした子から引き取られていった。この日引き取られたあの子も咳をしていた。 …

走り出さずにはいられなかった。 馬鹿だった俺は、今も馬鹿みたいだ。 満月を何度も見上げつつ、空に手を伸ばしながら。 夜の中を歩いては走り、を繰り返し続けてる。 ● 片想…

　鬱々とした日々を送る賢太は、幼馴染からの『気が向いたらこの映画見て』というメッセージを見て、久しぶりに外に出ることを決めた。 　なんとなく映画館に入ることができず、せっかく外に…

二人の気持ちが描く螺旋の一瞬。長くて短い瞬きのお話。

青年が自分の彼女だと思っていた少女は、他の男のものになり青年の人生に暗い影を落とすことになる。 彼女の身に何か起きるたび青年の心は掻き乱されていく。

「――この中に、僕らのユートピアがあるんだ」 なんの衒いもなく、君はそう言って笑った。月のない夜、不意に頭上に現れた太陽のように。 「あの子は鈍感だから」、大人たちの声は届かない…

幼馴染みに気持ちを伝えようバイクで東京へ向かった昇は、途中で年上の女性と出会う。 翌日、想いが届かず傷心のまま昇は帰路に着くが、途中、雨に降られて足止めされてしまった。 そこへ、…

鳴海は親友の河嶋・山本と一緒に毎日バカ騒ぎ。 明日もきっと、笑って過ごす。

一目惚れから始まった紗奈の恋。その相手は、先生………｡

　小学三年生まで『ガキ大将』として名を馳せた俺は、二度の転校を経てぼっちで陰キャの『ガリ勉メガネ君』になった。 　そして高校の入学式。ガキ大将時代に喧嘩の限りを尽くした宿敵にし…

卒業パーティーの数日後に控えたある日、急な高熱に魘された私アリア・キャンベルは前世を思い出す。 今いるこの世界が、乙女ゲー『チューリップ国の聖女様』の世界であり、自分がその乙女…

小学校の頃からずっと一緒だった幼馴染の女の子。 二人で支えあって、中学で告白イベントも成功。 高校に入ってからもラブラブを加速させていたのに、突然、俺を避けるように姿を見せなくな…

ネタっぽい一幕 　悠子は勝手に冷蔵庫を開いて中から色々と取り出した。手際よく二人分を調理していく。味噌汁の香りに、軽やかな包丁のトントントンという音が鳴った。一通り作り終えてベ…