詩¦棚

鈴鳴ノ館

10

高い棚には手が届かない


甘くとろけたチョコレートさえ

つまさき立ちから地面に染みていく


わりばしでつくった

やけに首の短いキリンが

ジオラマを描いて


傘からしたたるしずくは

微睡みと接吻キスをする


ヒールはいつまでもなれないから

冷たい床と抱擁ハグをする


喉奥に詰まった

数珠つなぎの深夜に

パブロフ製の秒針を


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