「幻想純文学 純文学」を含む小説

生御霊語り（いきみたまがたり）　終活にふさわしい老いの繰り言集です。こんなコンセプトで。 「小夜子の憂き世」天に二物を与えられたのに、運命は厳しすぎた場合、努力で解決するもので…

世界が終わる日。鐘の音が響く中、青年は一人の女と出会う。 「小説家になろう」にも投稿しています。

大卒無職となった主人公が、ありあまる時間のなか、小学生時代を一緒に過ごしたはずの「たつみ」という存在をふと思い出す。 みずからの記憶を辿り、手がかりを得るために現実を徘徊し、そし…

月を売ってくださいと頼まれた少女のお話。 「小説家になろう」にも投稿しています。

幼い頃、百鬼夜行を目にしてしまった少年 ヒトノコは妖世界に魅入られ、以来鬼の外道丸に育てられた。 妖世界に住む人々は皆美しい。 「それは彼らが、己にとって『本当に大切なこと』を…

ある日、私は神と名乗る男に出会った――

深い霧が立ちこめた石畳みの道を、ひとりの男が歩いている。通り過ぎる葬列、謎めいた言葉、同じ顔の男。 人生最後の選択の行方は。

方々を渡り歩き、張るべき根を失った青年が作り出す、これは心象の風景である。

それは、病というには美しすぎた。 幼くして日本舞踊の華と称えられた娘・雛牡丹は病に倒れ、日舞の道を閉ざされる。 それは、才能があるものだけが罹患する《才咲き》という奇病であった…

—— 魚は、実に美しかった。その細かな鱗は微かな燐光を発し、チカチカと明滅する。水面は陽光を反射して、スペクトルの欠片が、燐光と共に舞っていた。 清涼かつグロテスク、幻想的な短…

　人間と鬼との恋を描きたいと以前から考えていたものを形にした作品となります。これを書いた頃、ちょうど三島由紀夫先生の作品を読んでいた時だったので、その影響が出ているなと自分でも感…

　2020年、新年最初の作品となります。元日に書き上げました。

「痛みはいつか過ぎていきます」 今にも消え入りそうなほど薄命に見える少女が口にしたその一言は、今でもこびりつくように記憶している──森に住まう老齢のアルフレードは、再会を果たした…

大きな劇場に雨漏りの音。雫が落ちて消えていく。既にあるものと全的に邂逅する夜の抜け穴のような独立を、風のような夜の導きを、閉鎖的に開ける夜の静けさを、漂いの訪れる確かな朝の実証を…

推奨年齢：１５歳以上

人間讃歌は勇気の讃歌

古代、神々との戦いに敗れ、地獄に繋がれた巨人達。その巨人達がこの現代に蘇り、人間達を蹴散らしながら行進していく。そんな彼らの前に一人の人間が立ちはだかる……。理性を武器に不条理に…

－－見られることへの欲求は、案外、性欲なんかよりずっと強いのかもしれない。他人に見てもらえなければ、存在する意味なんかどこにもないんだからね。生物の最も重要な存在意義は、他者の観…

美しい少女の屍の、時間と共に、うつりゆく変化。それは何を問うものか。死とは何か、聖とは何か。現実と幻想の狭間で真実を見た。

おんなのこは何でできている？ お砂糖とスパイス、それからすてきなものばかり！ わたしはいつも、孤高の「女史」の横顔ばかりを見つめていました。 そのひとが、一体何を思ってそこにい…