概要
その暴論の前には、宇宙さえ『無い筈のもの』となる。
月イチで開かれる掲示板仲間のオフ会を取り仕切ることだけを生き甲斐とする冴えない高専生・洗馬 邦信は、駅から高専へ向かう途中の裏路地で、昔死んだはずの幼馴染・倉科 愛紗の姿を見つける。しかし、その姿は一瞬のうちにどこかへと消えてしまう。
オフ会でその話をすると、掲示板仲間の脳科学者・栄 美頼からこんな言葉が帰ってきた。
「多数の人間が、倉科さんが『生きている』と信じていれば、たとえ倉科さんが既に一度死んでいたとしても、世界は『生きている倉科さん』を私たちに見せる」
多くの人間が信じている偶像は現実となって現れる、という『プラシーボ世界論』を巡って、オフ会メンバーの間で論争が起こり、ついにはこの理論が真実かどうかを試す実験をすることにまでなった。
そして、彼らは目撃する。
『無い筈のもの
オフ会でその話をすると、掲示板仲間の脳科学者・栄 美頼からこんな言葉が帰ってきた。
「多数の人間が、倉科さんが『生きている』と信じていれば、たとえ倉科さんが既に一度死んでいたとしても、世界は『生きている倉科さん』を私たちに見せる」
多くの人間が信じている偶像は現実となって現れる、という『プラシーボ世界論』を巡って、オフ会メンバーの間で論争が起こり、ついにはこの理論が真実かどうかを試す実験をすることにまでなった。
そして、彼らは目撃する。
『無い筈のもの