第3話 メイドたちと、兵器・甲冑ゴーレム
ウインたちにも、その
いかにエトバリルが自分がエルフであることを
しかし、もったいぶったように言う理由はわかりません。ウインたちの知るエルフは、物語やゲームの中にいる
ノノレクチンとシュガーは、あからさまに
――
とウインは思うのでした。
あと一人のメイド、タバナハの
「エ、エルフ……この世にエルフがほんとうにまだいたなんて……うそっ」
と、タバナハはうろたえた声でつぶやきます。
「エルフは自然物との
と、エトバリルはみずからの能力を
サービス
それは銀色に輝く
「地球とこの世界とをつなぐゲートをもねじ曲げるアーティファクト、その名もカロカツクーウである! 古代よりエルフが受け
またももったいぶった言い回しでした。
ここで、四年生のアスミチが口を開きます。輝くカロカツクーウに強くひきつけられたようです。
「カロカツクーウ……ゲートをねじ曲げる……もしかしてぼくたちがここに連れてこられたのって……あの
アスミチは
アスミチの言葉にエトバリルが答えます。
「君たちを連れてきたのはカロカツクーウの力ではない。しかし、ゲートをベルサームに
「たとえば、どこかで雨が
エトバリルが目を細めました。
「そのたとえは正しい。魔法を知らぬ者にもわかりやすい説明だな。さすが地球人だ」
エトバリルは秘宝カロカツクーウをしまいこみながら言いました。
「あたしたち、もともとはどこに移動させられるところだったの……?」
パルミが
「トモダチの少女よ。カロカツクーウの示す
エトバリルは、子どもたち五人のあっけにとられたような表情を見て、さらに
「君たちは
今度はアスミチではなく、トキトがエトバリルに話しかけます。
「エトバリルさん。
まるでエトバリルが
“取り引き”という言葉をエトバリルは少し考えてみたようでした。
「ふむ、そう言ってもいい。取り引きでも間違っていない。だが今はトモダチとして
中庭にふぞろいな岩の人形のようなものがたくさん動いています。動きはのろのろとしていますが力は強そうです。兵士が命じると
岩の人形によって、大きな機械が運び込まれていました。
その様子を子どもたちのそばで
「あのしもべたちが気になる? 魔法の力で動くゴーレムよ。あれくらの大きさだと人間の使う
「便利ですね。魔法の力なんていうのが、ある世界なんですね……」
ウインが
「そうだ。あなたたち、まだお名前を聞いていなかったよね。さっきも名乗ったけれど、私はノノレクチンと言います」
背の小さいメイドも
「私はシュガー。
と、語られた言葉はジョークめいていたものの、彼女の顔つきは変わらず、無表情のままでした。
「二人とも、わざと違う名前を名乗ってるよね……」
と、カヒがアスミチに声を低めて言いました。
「わかるの?」
「なんとなくわかる」
三人目のタバナハが、
「東のケロム
と名乗りました。このときにはカヒは、
「きっとタバナハさんは
と言いました。
次に自分の名前を
トレードマークのポニーテールの頭をぺこりと下げて、
「私は
彼女のとなりでトキトは胸を張って言いました。
「俺は
続いてパルミが口を開きます。首のチョーカーにつけたシルバーアクセサリを揺らし短いボックスカットの黒髪を両手でかきあげながら、
「あたしは
ノノレクチンは、パルミの言葉に対して「それは私たちにはなんともわからないけど」と
それに続いてカヒが、おずおずと自己紹介しました。くしゃくしゃの天然パーマの髪をうつむけて目を半分くらい
「わたし、わたしは加藤カヒ。
ノノレクチンが
「わあ、
と反応しました。
最後にアスミチが言いました。
「ぼくは
ノノレクチンが残念、というように軽く笑って、
「テレビは、ないのよー」
アスミチは言い方を変えました。
「じゃ、じゃあ、生き物の
シュガーがあごに手をやって、考えながら教えてくれます。
「図鑑……はあるね」
タバナハがシュガーに言います。
「神様の
シュガーはうなずいて、続けました。
「図鑑も本だな。たとえばタバナハの生まれ
タバナハは花が開いたように明るい顔になり、言います。
「シュガーさん、よくわかります。ご説明ありがとうございます」
最初の
話していたときに
兵士たちが、岩人形のしもべを
ゴーレムたちは、大きな
運んだ部品を兵士たちが組み立てています。どうやら自動車よりも大きめのサイズの機械がいくつか完成するようです。しかも、ずんぐりむっくりながら、人間のように手足がついているように見えます。
できあがったのは人型の機械です。コガネムシのような
「ベルサームの
エトバリルが
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