第5話 甲冑ゴーレム完成のために私たちは呼ばれた
「あははー、気が
ウインが言いました。ここでカヒが、パルミのほうに進み出ます。
「パルミ、ノノレクチンさんとシュガーさんにも『きばのこ・はのこ』をあげていい?」
とカヒは手を差し出します。
「え、うん、カヒっち、じゃ。よろ」
パルミは自分の
ノノレクチンとシュガーも、こうして地球の人気の
ウインは心の中で言うのです。
――よかった。三人のメイドさんたちに、もらうばかりじゃなくて、ちょっとだけど、あげることができたよ。
エトバリルはそのあいだに部下の兵士から何かを受け取っています。
「これを頭に
さすがに、この流れで「トモダチ」とは言いませんでした。さきほどパルミを
エトバリルは、高らかな声で、兵士たちに合図しました。甲冑ゴーレムから離れているようにという指示でした。それからまた子どもたちに向き直ります。
「私は魔法使いでもある。物質にはたらきかける力も、
どうやら甲冑ゴーレムは、中のつくりが「思うまま」に変わるようになっているようです。魔法使いしか扱えない金属というものがあるらしいことも、このとき子どもたちは知りました。
「私の甲冑ゴーレムの中に乗りこみ、君たちの知識で機械の
――地球の乗り物の操縦席を思い浮かべるってこと? そうしたらそのとおりに金属が変形するっていう意味?
ウインは、たぶんそういうことをエトバリルは言っているのだと考えました。
ノノレクチンとシュガーとタバナハに背中を押されるようにして、五人は甲冑ゴーレムの前に進まされました。
甲冑ゴーレムの
中は思ったより広く思えました。おそらく地球の乗り物と違って、かさばる機械部品が少ないのでしょう。
エトバリルの五指が光を
五人はキツネにつままれたような感じがしていましたが、ともあれ想像するだけでよいというので、協力することにします。
甲冑ゴーレムの中には席がありました。とはいっても
うす暗い
座席まわりは、壁から天井に至るまでぬくもりのない黒っぽい金属です。ただ
しかし、その壁以外には不可解なことにレバーやハンドルといったものがひとつもありません。つるりとした金属の
ほんとうに、子どもたちの記憶だけで甲冑ゴーレムの役に立つことができるのでしょうか。
ゴーレムに乗り込む前に、耳あてを五人の子どもたちは持たされていました。二枚貝の
エトバリルの言葉が届きます。
「耳あてには
声を聞いたパルミの
「すげー、魔法で通話してるじゃん」
という声も残りの四人に
エトバリルが続けます。
「魔法の力をほとんど
「本当です。電話と言います。私たちも、その装置を一つずつ持っています。今はたぶん使えませんけど、見たいですか?」
どうせ見たがらないだろな、と思いながらウインは言いました。
「それには
たぶんエトバリルは、自分がエルフであることの
ノノレクチンが、おだやかな声、またはのんびりした声で通話に割りこんできました。エトバリルの事情をふくめた、
「エトバリル様がおっしゃるには――」
子どもたちに対して
「急ぎの仕事として、
ここまではすでに聞いたとおりのことでした。さらにノノレクチンは進めます。
「ふつうのゴーレムは言葉で命令することで動きます。さきほどから中庭にいろいろと運び込んでいた岩のゴーレムもそうです。しかし甲冑ゴーレムは兵器。細かい命令できびきびと反応させなければ戦えません。つまり人間が手でコントロールして動かす必要があります」
トキトが理解できているようで、
「
と言っています。操縦席でうなずく動きをしているのが想像されます。
ノノレクチンは「トキトちゃんが理解しているなら大丈夫ね」と思ったらしく、続けます。
「
ノノレクチンの口調がぐっと
「えっと、それで、無理やりゲートの出口を曲げて、どこかの荒野に放り出される代わりに、君たちをこのベルサームに呼んだっていうわけなの。エトバリル様の
ノノレクチンはエトバリルが怒り出しても
おそらくエトバリルが怒りを発する気配があったのかもしれません。その前に、
「話が少しそれましたね。ニョイノカネ金属は
さらにもう少しだけ子どもたちに事情を教えてやりたいと思ったのか、ベルサームのことを教えてくれるノノレクチン。
「これを急ぐ理由は、敵国ラダパスホルンも同じような兵器を作っているという情報があるから。すぐに作って
ノノレクチンはエトバリルばかりかマシラツラの
彼女の言葉は、説明しつつもどこか
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