第4話 「きばのこ・はのこ」を食べませんか?
立ち上がると学校の二階の窓にとどくくらいになるでしょうか。
「どれも形が少しずつ違う」
アスミチが、頭を右に左にかしげながら思ったことを言います。
「
とシュガーにうながされました。シュガーは体をずいっとアスミチのほうに
アスミチはあごに手を当て考えながら答えます。
「
彼の
「そうだ。
シュガーがおもしろそうにアスミチに語りかけます。
さらにアスミチの耳にだけ
「いちばん奥のは注目したいゴーレムだぞ。なぜ甲冑ゴーレムといいながら乗り込む部分以外の甲冑が
シュガーは目を細め、おもしろい
「シュガーさん、
とアスミチが気づいたことを言うと、
「私の親友がメカ大好きでね」
そう答えて、シュガーのここまでの
「あ、今、
とアスミチが目ざとくその変化を
「笑ってない」
シュガーは、ほころびかけたように見えた無表情をぐっと引き
地球から流れついた品々がゴーレムのそばに集められていました。五人とともにこちらに渡ってきたもののようです。
自動車や公園のベンチもあります。
ノノレクチンが説明してくれました。
「
自分の持ち物で無事なものがあれば
「あっ、私の
ウインが自分のピンク色の
パルミも持ち物を見つけました。
「あたしのおやつを入れた
トキト、アスミチ、カヒは
「異世界で役に立つものがあるのかどうかも、わからないけど……」
ウインは小さくつぶやきました。
それにしても、自動車やベンチが
ウインは手近にいたタバナハに
「あ、あの……ぐちゃぐちゃになっちゃったあの
「あ、はい。スクラップがどうかしましたか?」
「あの中に人が
「え、わ、私はそこまで知らなくて……えっと、シュガーさん、ご
「
「シュガーさん、今もしかして
とタバナハ。
「使ってない」
「うそー、使ってましたよね?
シュガーは無表情のまま、しかもどことなく
「そうだね。
「急に口調が冷たくなりましたよ! なんで
「
「ますます
質問したほうのウインが、
「タバナハさん、そろそろ
と、
五人はさらに自分のお
パルミがウインになにかを差し出しています。小さなお
「どうぞ、ウインちゃん」
「あれっ、パルミ、これ『きばのこ・はのこ』じゃん」
日本ではコンビニなどどこでも売っている有名なお
「いしし。お菓子入れの
「ありがとう。いただくね。甘いものは安心するー。ああ、チョコとクッキーの甘い味。おいしいなっ」
ウインはひとつもらってほっぺたの内がわで味わいました。すぐに飲みこんでしまいのが
「はい、カヒっち。トキトっち。アスっち」
とパルミはみんなに一つずつ食べさせていきます。そのあとで自分も一つ食べました。
ウインはパルミの行動を見ながら、内心で
「パルミはすぐに男子に文句を言うし口が悪い子に見えるけど、ほんとは思いやりのある子なんだよね。なんで口だけは、あんなに男子につんけんするのか
と思うのでした。
みんな、『きばのこ・はのこ』が大好きでしたし、甘いものを食べることでリラックスできたみたいで、うれしい
そこへエトバリルが
「
あいかわらず単調な口調で、
パルミがエトバリルの顔を見つめて、
「エトバリルん、食べる?」
と、友だちにするように軽い感じに『きばのこ・はのこ』を手のひらに乗せてエトバリルのほうに差し出します。
エトバリルは顔に近づいてくるパルミの手に、あからさまにぎょっとした表情を
「
と言い
はねられた『きばのこ・はのこ』のゆくえは、どうなったでしょう。
お菓子は、
「タバナハさん、よかったらどうぞ……えっと、地球の食べ物が
とウインがパルミを横目で見ながら言いました。パルミは
「いいのー? 私のかわいいゴグの
タバナハはためらいもせず口にお菓子を放りこみます。
「サクサクしてるー。あ、上にかけてあるのが甘いのね。これ好きかも」
と、ウインたち地球人となにも変わらない反応です。子どもたちはほっとしました。
アスミチがウインとパルミに近寄ってきて、
「食べ物をあげることが異世界の人にとって失礼なことっていうわけじゃないみたいだね」
と小さな声で言いました。
そのとき、そばにいたトキトが驚いた声を出しました。
「わっ、びっくりした。俺の横に
見ると、ノノレクチンがウインとパルミに
二人そろって、お菓子が乗せられるように、手の平を胸の前にちょこんと二つくっつけた形で広げています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます