第24話 500リワードの使い道
「あ……本当に500リワード貰えた」
俺は朝起きて、カクヨムのサイトを確認していたら、自分のアカウントに500リワードが付与されていたことに気づいた。
夏休みのキャンペーン企画で、8月9日から23日間、毎日更新したら最大で500リワード貰えるってやつだ。
「そういや10月中に付与って書いてあった気がする。忘れてた」
俺は500リワードをアマギフに変えて、さっそく使った。
小説書き始めた当初は、新しい小説や漫画の購入の足しにしようと思ってたけど、その考えは途中で変わった。
夏祭りのあの日。
化粧して綺麗になったみのりを見て、俺は『コレ』にするって決めた。
『コレ』を買うために、以前、凛那に選び方を教えてもらったんだ
(……明日届くのか。冬になる前でちょうど良かったかも)
俺はスマホを置いて、制服に着替える。
それからポケットにスマホを入れると、リビングに降りて行く。
父さんと母さんに挨拶をして、朝食を食べたら「いってきます」と声をかけて、玄関を出た。
俺が出たと同じくらいのタイミングで、隣の家の玄関もガチャッと開く。
「ケイちゃん、おはよ~」
「みのり、おはよ」
毎日更新最終日の前日。
俺はみのりに宛てた告白をカクヨムに書いた。
その結果はというと、ハートを……貰えた。
ハートの通知を見たとき、俺はその場で両手を振り上げ 、その手でそのまま顔を覆う。その後で家を飛び出し、隣の家に突撃した。
もう一度、再度、みのりの気持ちを確認して、晴れて彼氏彼女になることができたのだ。
夏に少しだけ可愛くなった幼馴染は、眉を整えたり、まぶたを頑張って二重にしたりとその後も奮闘していた。
これから冬が来る。
だったら、『コレ』を渡してもきっと自然だろう。
使ってくれるかな?
使ってくれたらいいな。
こいつはニブイからきっと気づかない。
男が女に『リップ』を送る意味。
『キスしたい』
もちろんそれもあるけれど、俺はどちらかといえばこっちだな。
『──2人の関係を深めたい』
「ケイちゃん? じっと見てどうしたの? 私の顔になにかついてる?」
「いや、なにもついてないよ。ただ、可愛いなーって思っただけ」
「んあっ!?」
真っ赤になったみのりが、俺の背中をポカポカと叩いてくる。
俺はそれを笑って受け止めた。
「なぁ、みのり。もし、俺の小説が……いや、やっぱいいや。なんでもない」
「ええ~? なぁに? 言いかけて、やめられると気になるよぉ!」
みのりの左手の小指に、自分の右の小指を絡ませる。
次の目標が決まった。
今度は俺の力で稼いだリワードで、この小指に入る指輪を贈りたい。
なーんてちょっと大きなことを考える。
捕らぬ狸の皮算用。
でも、書き続ければその可能性はゼロじゃない。
「また新しい小説を書こうかなって言おうと思っただけ!」
今度は俺達の話じゃないラブコメを書いてみるかっ!
***
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
毎話いいねをつけて下さったまさぽんた様。
貴方様のおかげで前日分のお話を思いつけました。ありがとうございました。
ラブコメ……難しいですね。
またどこかでチャレンジできたら良いなと思います。
リワード・ラブコメはじめましたっ!~小説のヒロインは幼馴染~ 椿原守 @tubakihara
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