留守電メッセージのきらめきを閉じ込めた短編です。主人公の蒔人はイケボなのに自己評価の低い青年。彼をいつも陽の下に連れ出してくれるようなヒロイン紗香は笑顔がまぶしい元気な少女。彼女のはじけるような留守電メッセージが蒔人にも読者にも元気を届けてくれます。ひと夏の思い出を、若々しい二人と追いかけてみませんか?
電話越しに聞いた好きな人の声を私は今でも鮮明に思い出すことができる。初めて電話をかけた時、その人がかけ直してくれた時、その時に交わした言葉を、この物語を読んで思い出した。蒔人と紗香が交わす言葉はきらきらして楽しそうなのに、どこか悲しい。
もっと見る