君の声と歩いていく

「マー君……暗いよ……それに……凄く寒い……」


「会いたいよ……マー君に会いたいよ……」


「もしマー君が何かで死んじゃってたら?」


「誰か素敵な人が現れたら?」


「紗香は……」



 今夜は桜が綺麗ですね……



「マー君……?」



 今夜は桜が綺麗ですねって言うのは……またここで逢いましょうって意味なんだよ……



「……そうだよね……シシシ……! また逢いましょうって意味なんだもんね……」



「また逢えるんだよね……」


「マー君の眠った夜は暑かったな……今は凄く寒いよ……でも、マー君の温度が残ってるから……」


「マー君がさ、紗香の耳許でイケボで言ったこと覚えてる? ヤバい……! 耳熱い……!」


「マー君って結構Sだよね?」


「……嫌いじゃないかもです……」


「耳を澄ますとさ、いつもマー君の声がするんだよ。でも口数が少ないから、もう何回同じヤツを聞いたかわかりませーん! 抗議しまーす! もっとイケボが、マー君の声が聞きたいよ……」


……紗香……


「ここにいるよ?」


……紗香……


「なーに?」


……紗香……


「マー君?」




……目を覚まして?……


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