メッセージ3
「留守番電話サービスに接続します。ピーという音の後にメッセージをどうぞ。ピー……」
「電話でろー! って……今日はしんどいか……シシシ。ごめんごめん。後でプリント持って行くからね。風邪はどうですかー? 熱は下がりましたかー? 食べたい物はありませんかー? そういえばネギを首に巻くと治るらしいよ!? ネギ買っていくからねー! ハァ……会いたいな。マー君のいない学校は甘くないあんこみたいでーす。ザラザラで美味しくないでーす。そういえば……」
「留守番電話サービスに接続します。ピーという音の後にメッセージをどうぞ。ピー……」
「なんで留守電ってこうも短いかね? もうちょっと長くてもいいと思うなー。それでさ、そういえばさ、夏休みどうしようか? 最後の夏休みだしさ、紗香はどっか行きたいでーす。……シシシ……今気づいたけどさ、マー君の口癖が紗香にうつってまーす。責任取れー! 責任取って……」
彼女はそこでメッセージを切った。わざとなのか、留守電の時間制限なのかは分からない。
責任取って……それに続く言葉を想像して、熱が上がった気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます