メッセージ5
「留守番電話サービスに接続します。ピーという音の後にメッセージをどうぞ。ピー……」
「おーい! 電話でーろー! 宿題終わったぞー! ねえ! ママがマー君となら一泊してもいいって! シシシ……! お泊りデートだ……だーかーら! マー君もキチンとお母様に話を通しておくように! 絶対だよ!?」
「留守番電話サービスに接続します。ピーという音の後にメッセージをどうぞ。ピー……」
「もしもーし! でーんーわーでーろー! マー君のママから電話きたってー! シシシ…! ちゃんと話せて偉いえらーい! それでね! 紗香よおばあちゃんの家なら泊まっていいってさ! 日本海が近くて、すーっごい海が透明なんだよ!? シシシ……マー君が顔真っ赤になるような水着を準備してまーす! 早く旅行に行きたいでーす!」
僕は嬉しいはずなのに、幸せなはずなのに、どうしてこんなに涙が出るんだろう。
最期の夏休みは、眩しすぎるぐらい光ってて、今にも消えてしまいそうなほど切なくて、照り付ける太陽は、何かもを真っ白に飛ばしてしまうくらい、夏らしく、残酷な熱を放ってたんだ。
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