概要
思い出して下さい。確かに、私達は一緒でした――。
道南・函館市のある場所に、その硝子工房はあった。
好きなことに熱中すると生活がおろそかになる職人のセイと、助手である仮面の青年ヨル。そして喋る看板猫のつつじ。
穏やかに時間の過ぎゆく工房で、二人と一匹は楽しく、どこか不思議な日々を過ごしていた。
この優しい日々が何時までも続いていくのだと思っていたある日、ヨルがセイに願う。
――自分の為に『星』を作って欲しいと。
セイは戸惑い、見え隠れする『何か』を感じながらもヨルの為に作り上げようとする。
いつか辿り着く場所への、導きの星を――。
好きなことに熱中すると生活がおろそかになる職人のセイと、助手である仮面の青年ヨル。そして喋る看板猫のつつじ。
穏やかに時間の過ぎゆく工房で、二人と一匹は楽しく、どこか不思議な日々を過ごしていた。
この優しい日々が何時までも続いていくのだと思っていたある日、ヨルがセイに願う。
――自分の為に『星』を作って欲しいと。
セイは戸惑い、見え隠れする『何か』を感じながらもヨルの為に作り上げようとする。
いつか辿り着く場所への、導きの星を――。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人はそうして、歩いていく
硝子というのは透き通って美しく、光を通せばキラキラと輝く。
けれど硝子を通して景色を見れば、その景色は歪んで見えたりするものです。
そんなことをふと、読了後に思ったものでした。
とある硝子工房は穏やかで、ゆったりとした時間が流れ、そしてどうしようもなく優しい。
誰かの日常の隣にあって、そこに溶け込んでいくかのように。
けれど、読み進めるうちに明かされていく事実から、途端に目が離せなくなるでしょう。
なぜ、どうして、そしてただ「ああ、そうか」と気付くのです。
きっとこれは、立ち止まっていた足を動かして、自分の人生を生き直す物語だったのだろうと勝手ながら思うのです。
じんわりと広がって噛み締…続きを読む