ラノベ王の冠

　葉隠入間(はがくれ・いるま)。父親がラノベ作家。母親がラノベ作家。姉がラノベ作家。のラノベ一家に生まれた。全員が一巻で打ち切りの貧乏家族。ラノベが原因で一家離散し、入間以外の家族が蒸発する。親戚の家にあずけられた高校生の入間はココナラの読書感想サービスで小遣いを稼ぐ。

　葉隠家の借金は一億円。将来の夢は編集者の入間は、相棒であるラノベ王を見つけて、一撃二億円の印税を手に入れて、折半し、借金の返済を目指す。

　ラノベ王の素質を持った図書室の女王こと金閣寺雪(きんかくじ・ゆき)に声をかけるが彼女には秘密があった。彼女はグレーゾーンの不登校だった。いや、図書室に通っているのだから、この場合は授業に全く出ない問題児だった。