第11話 ラノベと結婚する
後日、灰色とモブ子に告られた入間は、「僕には愛している人がいるんだ」と言って、拒否する。
「誰が好きなの?」
と女子陣が聞くと、入間は大真面目に、
「ラノベ」と答えた。
――は? ワッツ?
入間は制欲を抑えて、童貞のまま、こう答えた。
「僕はラノベと結婚する。だから彼女にすることはできない」
「くっす。ラノベ維新らしいことね」
灰色はパトロン、モブ子はコネ、女子連中を踏み台にしか思っていない入間は自分でもサイコパスだと思う。でも、ラノベ作家になると決めた。8年後。それから灰色をラノベ王にする。芥川賞か直木賞を取る。
モブ子は、灰色のライバルであり、入間に気に入られようと、必死になって灰色に対抗した。
……。
という夢を見た。
「僕も疲れているのかな」
放課後の教室。授業の終わりに、部活動に駆ける生徒が多い中、帰宅部はそのまま家に帰り、文芸部の入間だけがぼんやりしていた。
「灰色やモブ子がラノベ維新に懐くなんてありえない。5億の融資も夢だった。でもでも」
――ラノベと結婚するのは本気だ!
離婚OKであれば、人生をラノベにかけた入間だった。
葉隠入間の冒険はまだまだ続く。
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