第7話 閑話The Unfair Advantage『Life Is Unfair』人生は不公平である
The Unfair Advantage という本がある。日本語訳はまだない。
YouTubeのインフルエンサーが、The Unfair Advantage を紹介していた。
五つの優位性。アドバンテージだ。
・お金タイプ
・頭脳タイプ
・ポジションタイプ
・専門タイプ
・権力タイプ
成功するには、努力+運が必要であり、人生は不公平で、持っているカードで勝負しなければならない。
例えば、金閣寺雪はお金タイプだ。親の総資産は10億円越え。本人も1億円の株式を有している。住居は港区の白金で恵比寿ガーデンプレイスのすぐ近く。親ガチャの大当たりであり、お金タイプ。
例えば、モブ子は専門タイプだ。純文学をこよなく愛し、SNSのフォロワーは10万人越え。純文学の太宰治推し、といえばSNSでは誰もがモブ子の名前を口にする。
では、入間は? 葉隠入間は何タイプの成功者? 答えは何もない。ただの凡人。
頭脳タイプはハーバード大学を主席入学とか、マサチューセッツ工科大学を1年飛び級したとか、勉強の化け物揃い。最低ラインが東大や京大だ。偏差値60の高校に通う入間は頭脳タイプではない。借金のため、大学進学さえ、する予定はない。
権力者タイプはイーロン・マスクのような人物を指す。会社の社長とかCEOとかだ。一介の高校生である入間には、真似できない。
僕たちはポジションタイプになることをしいられている。成功するにはポジションを取ることが重要だ。
ポジションとは?
例えば、アメリカのITバブルの時は、ドットコムという名前の付く会社はどんどん買収された。時代の流行(トレンド)に乗れば誰でも勝てるのだ。
日本のバブルは土地さえ持っていれば、どんどん値が上がった。
今はYouTubeやティックトックの時代だ。ちょっと古いけれども、数年前にSNSを始めていれば誰でも勝てた。
――じゃ、今は何だ。何の分野に精通していればポジションが取れる? そして、一億円の借金を返済できる?
入間は深く考えた。
どんな分野に参入すればポジションタイプで成功者になれるのかを真剣に考えた。
アメリカのビル・ゲイツが作ったマイクロソフトの時価総額を、エヌビディアが抜いた。日本円換算で約525兆円だ。世界一の株式会社だ。時代はAIの半導体なのかもしれない。しかし、入間にAIや半導体の知識はない。
お金タイプの灰色こと金閣寺雪。専門タイプの純文学インフルエンサーのモブ子。
二人には絶対にできないポジションを、入間は取る必要があった。
『人生は不平等である』しかし、日本と言う国に生まれ、国ガチャは大当たりだ。親ガチャ、上司ガチャ、職場ガチャはダメでもまだまだ挽回の余地は残されている。
お金タイプの天才、灰色。専門タイプと少しのポジションタイプを併せ持つ天才のインフルエンサー、モブ子。二人に勝つには、または共闘して一億円の借金を返せるポジションタイプを夢見る凡人、葉隠入間。
文芸部の三人の活動は、今、ここから始まる。
「これ何なのさ?」
「モブ子さん。僕たちのPVです」
「私の資産が1億円以上あるのを勝手に公開されているのですが?」
「すみません、灰色さん。お小遣いが毎年1000万円あるって秘密をバラしました」
「嫌いです、ラノベ維新」
「ラノベ、個人資産が1億円越えで毎年1000万円以上のお小遣いをもらっているって公開するのはあんたが悪いわ」
「ショック!?」
成功者のタイプは五つに分けられる。
・お金タイプ
・頭脳タイプ
・ポジションタイプ
・専門タイプ
・権力タイプ
灰色こと金閣寺雪はお金タイプの成功者。
純文学インフルエンサーのモブ子は専門タイプとポジションタイプの成功者。
では、葉隠入間は? まだ、ただの凡人であった。
「僕はポジションタイプの成功者になる!」
「「閑話終了。ありがとうございます!」」
「女性陣だけ勝手に終わらないで」
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