カラオケ

 とりあえずあなた方はカラオケの個室に入り、それぞれ飲み物を用意して歌うことなくこのゲームの続きを開始する。


「・・・俺にやらせてよ」

 友人はやる気満々で手を伸ばしてきた。


「ああ、俺はもう疲れたわ。全然進まないもん、これ」

 そう言ってあなたはトイレへと席を外す。




 ・・・戻ってみると、友人はあなたを待ち構えていたように手招きします。

「ちょ、お前も登録してポイントをくれ」


「・・・え、もう無くなったの?」


「いや、アイテムを拾ったんだけどさ、カスタムするのにちょっとだけポイント足らないんだよ」


「えー、なんのアイテム?」



「はぁ?じゃあ完全にただのゲームじゃんかこれ」


「まぁ、いいから。なんとなくここが分かった気がするんだよ。ほら、二駅隣に行けばでっかい公園あるじゃん。あっこの何もない森の奥深くにポツンと一つだけトイレがあってさ、そこのトイレに『』って噂があっただろ?」


「いや知らねーよ、俺はこの辺、地元じゃないんだから」


「ああ、そっか。ガキの頃によく肝試しにそこ行ってたから分かるんだよ。絶対あっこだって。この落書きなんか一緒だし」


「・・・二駅、隣のとこ?」


「ああ。それもちゃんと確かめたいんだ。なぁ、頼む。登録するだけじゃん」


 あなたは渋々ではあったが、銃というワードが出てきたのでただのゲームだと少し安心したのもあった。マッチングアプリという類のものはどうしてもロマンス詐欺などのイメージと、加工された写真で一喜一憂するのはバカみたいだと思っている方の人間である。


 全く使っていない、前のスマホで使っていたアカウントがあったのでそのメールアドレスを使って登録だけして、ストアじゃなく同じアプリをしチュートリアルらしきものを飛ばし、急かす友人を尻目に”当たり前”のように注意事項なども飛ばして『同意する』を押した。


「・・・OK、ありがとう。お前も見て、これ」

 そう言われ、銃を構える姿とその先に確かに公園によくあるコンクリ打ちっぱなしの公衆トイレがあった。


「これで・・・ポイントで『弾』が手に入るんだ」


「撃ってみてよ」


・・・パシュッ!


 珍しくその銃には初期からサイレンサーが付けられている。変なゲームだなと、あなたは異様さを改めるかのように思った。


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