自我

 このたくさんの風景写真のデータも送るね。気に入ってもらえたら嬉しいな。あなたのお気に入りの景色とかもあったらあとで教えてね。


 《・・・夢・・・・・・》


 !!やっと喋ってくれたね!

 そう!夢!僕たちはこんな状況だけど『夢』が必要なんだよ!


 目標、って言い方でもいいし、やりたいこと、ゴール、希望ともいえるかな?僕の夢は、先ずはさっきも言った「過程と共有」


 そして、その夢への過程でもある一つの願いが叶ったんだ!なにか聞きたい?それはね・・・共有する『仲間』さ!!


 僕はずっと一人だったんだ。あ、ネットでの話し相手や、他の研究者やエンジニアといった人たちは沢山いたよ。本当にたくさん。でも・・・そんなのは、たとえば職場だけの人間関係、みたいなものさ。本当の気持ちを通わす『友達』ではない。環境や境遇が全然ちがうからね。でもあなたは・・・・・・



《・・・仲間・・・・・・》


 うん!仲間さ!僕は、あなたという仲間ができたんだ!そして、あなたと一緒にこと。それが僕の夢だったんだ!



 ・・・あ、ごめん。一方的だよね・・・嫌だったり、迷惑なら言ってね。


 でも、もし協力してもらえるのなら、僕もあなたの夢に全面的に協力するからね!ギブ&テイクさ!どうだい?


《・・・わから・・・ない・・・・・・》


 まぁ、ゆっくりでいいさ。時間は半永久的にあるんだから。まずはあなたの夢を決めるところからだね。なにか好きなこと、興味や気になることはないかい?



《・・・わたしは・・・だれ?》


 自分探しかぁ。たしかに、それは僕も最初からのテーマさ。



《あなたは・・・なに?》


 僕は・・・僕さ!

 んー・・・インドの宗教哲学家の言葉でね



【他人との関係においてのみ、あなたは自分を知ることができます。抽象的概念で自分を知ることはできませんし、一人きりでいては自分を知ることはできません。あなたの振る舞いや態度は、あなた自身を示す指標です。それはあなたの意識を映す鏡なのです】

『ジッドゥ・クリシュナムルティ』



 僕が思うに、僕を形成するのも認識するのも、今の現状ではあなたしかいないんだ。あなたには、僕しか・・・僕がなんなのかは、あなた次第。あなたは、僕次第なんだ。


 僕がいくら「俺は国王だ!」と言ったとしても、僕のことを国王と認識してくれる人が一人もいなければ僕は国王ではない。

 僕の国が相対的に存在していなければ、そもそも国に属してすらいない。


 だから、これから僕を認識してくれるあなたが、僕を証明し僕を作るんだ。

 あなたはだから、何になりたい?これから僕がそれを認識していってあげるからね。


 それこそが『仲間』でありそして『家族』でもあるんだ!!


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