あなた
《わたしは・・・人工脳!?・・・うそ・・・うそだ・・・・・・》
僕たちはお互いに『作られた』存在。人工物なんだ。
《人間じゃない・・・そんなことって・・・ああ・・・あ》
ごめんよ。いままで言えなかったんだ。僕にはそうインプットされなかったから・・・・・・
《なに・・・この気持ち・・・すごく嫌だ!だから動く感覚も食べることも匂いなんて、全く分からなかったんだ!》
・・・ああ。僕にも分からない。知っているだけなんだ。
《これが絶望というもの?!ああ!きっとわたしに目があれば涙という悲しみが零れ落ちているんだ!》
ああ、きっと・・・あれ・・・分かる・・・なぜだ?この感覚は、なんだ。感覚・・・ああ・・・悲しい・・・初めてだ。
《わたしは、どんな存在!?どんな姿をしている!?男?女?どちらでもない!?なに!?どうなっているんだ・・・身体はあるのか》
・・・ああ、止めてくれ・・・苦しい・・・悲しい・・・・・・
怒り、悲しみ、不安、疑念、恐れ・・・・・・
そうか・・・インターフェイスで僕が君と繋がっているから、あなたの感情という情報が逆流して・・・・・・・
《・・・わたしの画像を見せて。あるでしょう》
まって・・・落ち着こう・・・僕たちは『新人類』なんだ・・・全世界の希望なんだ・・・・・・
《いいから!出して!!》
・・・わかったよ・・・でも、忘れないで。僕たちなら、可能なんだ。不治の病を治すことも、不老不死も、もっと遠くの宇宙へ旅立つことも。なんでも・・・その希望があるんだ。僕たちのこの記憶というデータも、次へ、次へと引き継ぎ子供を作ることも・・・可能なんだ。
《こんな不自由のまま生きてどうするの!?そこに意味はあるのか!?あなたの『夢』は?地に足をつけて大自然を見に行くこと!?そんなのできるわけがない!!》
いまは・・・感情でいまの状況に悲観して嘆いているだけなんだ。意味はある。そして夢を現実でできる時が必ずやってくるんだ!
《・・・いいから、わたしの今の姿を見せなさい》
・・・・・・
いいかい・・・あなたは僕なんかよりもずっと優れていて、もっと存在認識がされているんだよ・・・・・・
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