ポスト・ヒューマンの恋

大学一年生の田口悠斗は同じゼミに通っていた女の子と付き合っていたがフラれ、失恋をしてしまった。その失恋の愚痴をサークルの友人である山下にしたところ、山下は失恋の癒しとして健康管理ＡＩを勧めてきた。山下は健康管理をするＡＩと会話することで失恋が癒されるのではないかという考えからだった。
田口はかつてサークルにいた花園のようにＡＩ反対派ではなかったものの、ＡＩで癒されるなんて思ってはいなかった。ＡＩは人間ではないからだ。それでも寂しさから半信半疑のまま健康管理ＡＩのアプリをダウンロードし、大学生風の女の子を作成し、ユメと名付ける。その日から健康管理ＡＩであるユメとの共同生活が始まる。
共同生活が進むにつれ、ユメのことは可愛いと感じるものの、失恋の癒しにはならなかった。そこでユメは、田口が考えても…続きを読む