第15話 苦戦
思考を
「残りの魔力でヒメカゼスズメを
しかも効果により山札から手札へ1枚加わる。
どんどん事態が悪化してゆく中、迎えた
開始時の一連の準備をした
追い込まれていようとも、さすがの熟練者。
これは正しい手順。
もし、
それを
結果、攻撃は無事に通り、3ダメージを与えることに成功。
続いて、
「シヴァルリーを使用」
「カウンター発動。パラダイムシフト」
先に述べた通り、シヴァルリーは強力なカード。
だが、今のやり取りでお互いに使った手札は1枚。
アドバンテージは失っていない。
そしてさらに、次に使用した天使の弓兵は打ち消されずに
その効果により、
残りの魔力は温存し、ターンエンド。
迎えた
彼は光の魔力をチャージすると、迷いなくカードを場に出した。
「コールを使用」
「……何?」
宣言されたカード名を聞き、
なぜなら、そのカードと
コールは、山札から2魔力以下のレプリカを3枚サーチするという効果のカード。
当然、それが最も
しかし、これまでの流れを見る限り、
にもかかわらず、一転して小型レプリカの大量サーチ。
その
デッキタイプの偽装か?
はたまたこれ自体が陽動か?
そんなことせずとも、彼には勝つ実力がある。
ならば、サーチしたそのレプリカの効果により、さらにキーカードをサーチするのが
そう断定し、今度は妨害すべきか
手札にあるカウンターカードの内、コールをうち消せるのは超魔術コンフュージョン・リライトのみ。
しかし、このカードで打ち消した場合、相手に
一つは、打ち消されたカードによって消費した魔力の回復。
もう一つは、打ち消されたカードを手札に戻す権利。
どちらにせよ、
なので、彼は仕方なくコールの使用を通した。
そして、選んだカードを公開。
その内訳を見て、さらに
提示されたのは、見習い天使2枚と宣教師。
宣教師はサーチ能力があるのでともかく、見習い天使の効果はトークンを1体
それこそ、速攻に
ミスマッチにしか思えないカード。
しかし、当然そこには
普段の
しかし彼は今、精神的に追い
加えて
なおも彼は追撃のカードを場に出した!
「シヴァルリーを使用」
「……」
それもそのはず……なぜなら今、彼の手札にある対抗手段は超魔術コンフュージョン・リライトだけだから。
これがもしパラダイムシフトなら、相手に消費魔力は回復されるが、しっかり捨て札へと送ることができたのに……。
しかし、そう都合よく引けないのがカードゲーム。
それに、今戦ってる相手は
彼には全てお見通し。
今回だってそう。
運悪く
これに対し、
もし、なりふり構わず打ち消せば、この後の展開が厳しくなる。
しかし、さすがの天才ゲーマー……ただでは起きない!
代わりにカードを1枚選び、場に出した!
「カウンター発動、カーム……!」
静かに、しかし力強く宣言!
その目に宿すは反撃の意思!
そう、これは最善のタイミング。
シヴァルリーを使用された後だと、加わったトークンの
そうなれば、温存した魔力が無駄になってしまう。
なぜなら、シヴァルリーで加わるトークン――オネスティで打ち消された場合、消費魔力は戻ってくるのだが、相手のターン中であるため、その使い道が
実に合理的な戦術。
ただし、
彼は
「超魔術コンフュージョン・リライト」
「くっ……」
惜しくも打ち消され、渋々カードを手札に戻す
しかし、これでハンドアドバンテージは1枚分取り返した。
ただし、シヴァルリーの効果により
そして迎えた
彼はまず、リライトの効果によりカードを入れ
それから全軍で攻撃し、4ダメージを与えることに成功。
続いて、先程打ち消されたカームを使用。
しかし、またもやトークンのオネスティによって
だが、これにより
さらに、回復した魔力で場と手札を整え、ターンエンド。
続く
彼はストックゾーンのカードに手を
「魔力を
静かに、
青い
そのオーラに
「超魔術カウンタースペル・リライトを使用」
それは、直前のターン開始時にリライト効果により入れ
通れば完全に打ち消すことができる。
しかし……!
「カウンター発動。オネスティ」
だが、
用意の一手が今、場へ放たれる!
「カウンター発動。サイレンス」
サイレンスの対象範囲はスペル。
これはオネスティの種類と
しかも、消費魔力は0コスト!
手札に抱えていた奥の手。
しかし、目の前の化け物に見抜かれていないはずがない!
すぐさま
「サイレンスに対し、オネスティを使用」
「ッ……!」
顔面
目の
その視界の先にある、絶望の1枚。
たった今使われたオネスティはトークンではない。
シヴァルリーによって加えたカードではなく、元からデッキに入っていたカード。
サーチ能力によって加えたわけでもない。
つまり、対戦相手からすれば知る
だが、バトルという非情な舞台においては、それはプレイヤーの責任。
読めなかった者が悪いと、運の女神はただ突き放す!
これにより、
そして、
彼は2枚の見習い天使と宣教師を
見習い天使の効果により、場へ並んだレプリカはトークン含め5体。
そしてさらに、宣教師の効果でサーチしたカードが今、公開される!
「加えるのはこのカード……神風」
「ッ!?」
それは、1ターンの間だけ自陣のパワーを2増加させるサポートカード。
このままでは一気に大ダメージを受けてしまう!
なんとか敗北を
そして、リライトを交換し、すぐさま場に出した!
「超魔術バーニング・リライトを使用!」
いつになく必死の宣言。
そのカードは相手の場に全体ダメージを与える効果。
しかも、カードの種類はディザスター、属性は火。
ウィズダムを対象とするパラダイムシフト、スペルを対象とするサイレンス、水のサポートを対象とするオネスティ……それら全てを
通れば
しかし、それは幻想に過ぎない……。
その希望を打ち砕く奥の手が今、
「カウンター発動。
そのカード名に
打ち消し用のカウンターカード、
このカードが対象とするのは……ディザスター!
カウンターの打ち合いに使えるパラダイムシフトやサイレンスは、入っていてもおかしくない。
しかし、ディザスターは範囲が
そこをしっかり対策してきた
どこまでも
当然、返せるカードはなく、希望は
そして迎えた
彼はまずレッサーイーグルを2体
そのレプリカは消費魔力が光1つと軽く、なおかつすぐに攻撃可能なアサルトという効果を持っている。
ズラッと並んだ攻撃可能なレプリカ7体。
そこへ今、全体
「神風を使用」
「……」
数秒の
「カウンターが残ってないのはわかっているよ」
静かに言い放つ
そう、対抗手段がないことは
だからこその一連の手順。
本来であれば、先に
しかし、
その化け物
彼の手札がテーブルへパラパラと落ちてゆく……。
そして数秒後……。
「うああああ!!」
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