第4話 冷めた心
加えて先程の冷たい返答。
その態度に、花織は
しかし、ここで逃げては水の泡。
すぐにまた勇気を振り
そして、大きく息を吸い……。
「あなたが! えっと、その……」
ハキハキと切り出したものの、すぐに失速。
緊張で言葉が
それでも必死に
「ええと……。
やっとの思いで出せた声。
しかし、すぐには返答がなく、しばらく沈黙が流れる。
不安な表情で待つ花織。
すると、数秒後……。
「そうだが、突然何の用だ?」
またしても、ぶっきらぼうな返答。
重たい空気の中、花織は伝えるべき言葉を脳内で
そして、呼吸を整え意を決した。
「えっと……ウィザーズウォーゲーム……っていう、最近流行りのカードゲーム……知ってますか?」
脳内での予行演習が裏目に出て、多少ぎこちなくなったその問いかけ。
だが、
そして、再び数秒の沈黙が流れた
「知っているが?」
ようやく返ってきたのは、やはりたったの一言。
しかし、花織はめげずに視線を
再三に渡り流れる沈黙。
と、次の
「お願いします! 助けてください!」
大声で
さらに再度……。
「お願いします!」
その姿勢のまま、声に出した。
対し、
「……助ける?」
「はい!」
返事と共に、花織は勢いよく顔を上げた。
すかさず花織がその
「私、どうしてもお金が必要なんです! この大会で勝てば、賞金が手に入るんです!」
「……で? 代わりに出てほしいと?」
「はい……」
対し、
再度流れる沈黙の中、逃げずにじっと
やがて、
「何でそんなことオレがしなければならないんだ? 大体、賞金だけ自分がもらうだなんて
吐き捨てられた
対し、花織は
「お願いします! どうしても必要なんです! カードならありますから……。あなたに全部差し上げますから……」
こちらも負けじと必死の
だが、
「いらないな。カードを買う金くらいある」
「そんな……」
「悪いが、オレは二度と誰にも期待されたくないんだ。他を
そう言い残し、歩き去ってしまった。
ここまではっきりと断られてしまっては、これ以上どうすることもできない。
やむなくして、
そして、明日もう一度
翌日、ゲームセンターを探すも
仕方なくショップへ向かい、暗い顔でドアを開けたその時!
奥のテーブルで人影が
「……ッ!」
花織は息を
その目に飛び
たった今、バトルに敗れたプレイヤーだ。
その対面には不敵に笑う
やはり、相手へと
その様子を見ただけで花織の足が
だが、しばらく見ている内に敗者を放っておけなくなり、またしてもそのテーブルのもとへと歩き出した。
そして面と向かって非難し、昨日と同様にバトルへと突入。
と、
しかし、すぐに異常を察知し
そしてそのままショップを後にすべく、
「助けてあげないのかい?」
静かな声に呼び止められ、
すると、声の主である
「誰だお前……」
さして興味も示さぬまま、機械的に質問を投げかけた。
対する
「ごめんごめん。急に話しかけられても困るよね。僕はウィザーズウォーゲームの社員だよ」
そう言って手渡された名刺をボーっと
目に映るのは
対照的に、
「お前が助けてやればいいだろ……」
直後、
これにはさすがの
「いやいや、僕には無理だよ! やっぱりここは
忘れ去られた
直後、半歩横を向き鋭く
「目的はオレか? そうか、お前も
先程までの冷たく無感情な声とは違う、少し強い口調。
その
「同じにされると悲しいなあ。手当たり次第にプロを勧誘している他のゲームとは違って、僕らは君じゃないとダメなんだ。どうしても」
「そうか。だが
「お金が必要な理由が、お母さんの病気の
「だったらなおさら自立することだな。親なんていなくても生きていける。結局は金が欲しいだけだろ?」
そう切り捨て、
そして、追いかける代わりにこう言った。
「違うよ」
と、静かに。
しかし、はっきりと……。
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