概要
かつて(作者のカセット内で)実際に生まれたドラマから
船乗りの父を海難で失った少年、ロランは母と妹を助けるために、王国最大の軍港都市ブラディスドックへと出稼ぎにやってきた。だが年来打ち続く海流の異常で港は機能を果たさず、人々は相前後して地下で発見された迷宮と、そこから得られる財貨に酔い痴れ狂っていた。
その大波に乗ろうと目論むものの、駆け出しとすらいえないロランには入れるパーティーのあてさえない。途方に暮れる彼の前に現れたのは、初心者を肉盾に使い潰して位階を上げ続けていると噂される女魔術師、ダリル。何も知らずに彼女に雇われたロランは辛くも初戦を生き延び、次第に経験を積んでいく――
その大波に乗ろうと目論むものの、駆け出しとすらいえないロランには入れるパーティーのあてさえない。途方に暮れる彼の前に現れたのは、初心者を肉盾に使い潰して位階を上げ続けていると噂される女魔術師、ダリル。何も知らずに彼女に雇われたロランは辛くも初戦を生き延び、次第に経験を積んでいく――
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!かつてドット絵の向こうに幻視した、仄暗い血と死の迷宮がここにある
キャッチコピーの「作者のカセット内で」部分に引き寄せられて読みに来ました。
かつて、ドット絵とワイヤーフレームの向こうに幻視した迷宮世界が、圧倒的な解像度で展開されていました。
迷宮内部の質感。死と腐敗の臭い。階層に応じた様相の変化。
それらは確かに、かつてコントローラー(本作はWIZ外伝オマージュとのことなので「ゲームボーイ」の方が適切でしょうか)と方眼紙を手に、一歩一歩歩んでいた仄暗い世界でありながら、遥かにくっきりとした像を結んでいます。
それはひとえに、迷宮の諸様相を丹念に細やかに描き出す、筆者様の想像力と具体化力と情景構築力(「筆力」の一言では終わらせたくない)によるものでしょう…続きを読む