再要求

雅代の心の中には、焦りがあった。

時間は刻々と過ぎていく。

仕事に間に合わなくなってしまう。



。o(なんとかならんかなあ)



助手席に座っている男の力では、事態を打開できなかった。

あまりにも動きが鈍臭い。

それでも、今、自分以外で頼れる人間は1人しか居ない。



「どうでした?」



とりあえず、男に質問してみた。



「寒さと風で、身体が動かなくなる。数分しか外に居られない。」



まあ、その数分で脱出できればいいんだけど。

色々考えてみたものの、同じ手段しか思い付かない。

どこかを改善すれば、結果は変わるかもしれない。



「もう1回行ってもらえます?」



今日の仕事を諦めるには、まだ早いと思った。

この男は、「嫌だ」と言わないタイプだというのも、出会いからの数日間で把握していた。

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