除雪車

外の景色が青白くなってきた。

雲が薄くなったのか、太陽がやる気を出したのか。

風と雪も少し弱まったように感じる。


今の2人には、「待つ」事しかできない。


天身はさっき食べたコロッケパンの、残り半分をゆっくり齧る。

つられた雅代も、カンパンを手に取って食べ始めた。


ふと後ろを見たその時、大型の車両が目に入った。

一瞬で、「除雪車だ」と、わかった。



「外に出て叫ぼうか?」



そう天身が言った矢先、除雪車は、2人が居る車のすぐ近くで停止した。

‘北海道開発局’と車体に書かれているのが読めた。



「どうしたぁ!?大丈夫かぁ!?」



除雪車から声が聞こえる。

すぐに雅代は運転席の窓を開け、「動けなくなりました!」と叫ぶ。


雅代の声は届いたのだろうか?

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