車内

軽自動車が、ゆっくり、2人を乗せた車の横を通り過ぎた。



「9時に道路封鎖するよね?」



天身の言葉に、雅代はハッとした。



「そっか。その時に陸運局の車が通るよね。」



それで天身は落ち着いているのか。

雅代は感心した。



「除雪車も通るし、見付けてもらえるはず。」



感心は、安心に変わった。

助からない状況ではない。



「雅代さんの電話が生きてるから、見付けてもらえなくても助けは呼べる。」



天身は、この後に自分達が採るべき行動を、順に考えている。

雅代はそれを聞き、この状況でも冷静な天身を頼もしく感じた。

と、同時に、違和感も持った。



「9時を過ぎても何も無かったら、電話で救助要請しよう。」



雅代は同意した。

そしてペットボトルのお茶を飲み、落ち着きを取り戻した。

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