持久
雅代は電話を始めた。
今日の仕事先に連絡を入れ、事情を説明する。
「このような状況なので、今日は無理です。」とハッキリ伝えた。
連絡先は、1ヶ所ではなかった。
どこにかけても、電話の向こう側から、心配の声が発せられる。
「ああ、どうしよう...。」
当初は自信満々で明るかった雅代も、さすがにこの状況では不安を隠しきれない。
「食料買っておいて良かったね。このままでも1日ぐらいは余裕でしょ。」
天身は能天気に言う。
この男の危機感は少しおかしい。
ガソリンはこの移動の前に満タンにしてあり、ガス欠も心配は無かった。
2人で窓の外を見る。
「あ!」
後方に、ライトの動きが見えた。
車だ。
2人とも、「助けを求めた方が良いのか?」と考えたが、この吹雪の中、一般車両に対して何をどうすれば助かるものなのかわからなかった。
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