午前8時

天身は交通規制情報を確認する。

美幌峠はまだ封鎖されていない。

その情報を雅代に伝え、予定通りに進む。


午前8時7分、車は美幌峠に入った。

電光掲示板が目に入る。



’9:00から通行止めとなります‘



「間に合ったね。」



2人とも安堵した。

しかし、一方で、通行止めにしなければならない悪天候なのも事実だった。

この先は、今まで以上の危険が待ち構えている。


峠の道は、カーブが多い。

それでも雅代は、臆する事無く順調に車を走らせていた。


頂上が近付くにつれ、横風を防ぐ木々の無いエリアが増えてきた。

車体が煽られる。


フロントガラスの向こう側は、吹雪で見通しがかなり悪い。

まるで濃霧に包まれているかのようだ。

さすがの雅代も、緊張感を隠さなくなってきた。



「ちょっと減速するわ。」



そう言った矢先にそれは起きた。

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