雅代の自信
北見市内ですら悪かった視界は、都市部を抜けるとますます悪化した。
建物等の遮蔽物が無い場所を通ると、横風に煽られた雪が舞い、フロントガラスの向こうを白く染める。
それでも、それらは雅代に危機感をもたらす程のものではなかった。
「ホワイトアウトしない限りは大丈夫。」
霧の中を進むのと同じレベルの見通しの悪さにも関わらず、雅代は平常心を失わない。
「ブラックアイスも今は無い。」
濡れたアスファルトの路面のように見えるそれは、知らなければそのままタイヤを通そうとしてしまう罠と言える。
それを気にしなくていいだけマシなんだ、と雅代は言う。
天身は、そんな雅代を頼もしく感じると同時に、無理していないか心配していた。
助手席から見るその表情は、その言葉が空元気ではないと証明するように、明るく、自信に満ちていた。
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