ホワイトアウト

フロントガラスの向こうが、真っ白となり、全く見えなくなった。


それは一瞬だった。

その僅かな時間で、車は何m進むのか?


さっき見た気温は、-13℃を示していた。

加えて、この強い横風は、体感気温をさらに低くするだろう。

道を誤り、事故を起こした時、外傷や打撲を受けなくとも、車内で暖房に守られる環境に居られなければ、凍死が待っている。



「今、ホワイトアウトしたね。」



天身がそう言うと...



「これはさすがにヤバいね。」



と雅代も同意した。


峠に入ってからは、時速40km程度まで減速していた。

それをさらに30kmまで落とす。


横風はまたさらに強さを増す。

ハンドルを取られ、ガクッとなるのが助手席にも伝わる。


そしてまた、前方の視界が白く閉ざされた。

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